科学への信頼が揺らぐ今、科学的リテラシーのあり方を考える
災禍で混乱した「科学的正しさ」
福島第一原発事故(3.11)や新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大をめぐって、近年日本において科学や専門家による科学的助言等への信頼が揺らいだと言われています。
それぞれの災禍のなかで、何が「科学的に正しい」のか、どのような行動が「正しい」のか、メディア言説は大いに混乱していました。
知識があればよいのか
「人々は知識がないからリスクを過剰に評価する」「知識があれば人々は(当該技術を)受容する」といった考えに基づき、科学的知識の伝達だけで問題を解決しようとする考え方のことを「欠如モデル」と言います。
しかしながら、科学的知識があるかどうかは、人々のリスク認知や実際にどのような行動をとるかに影響を及ぼす要素の一つではあっても、すべてではありません。ところが、3.11やCOVID-19のように科学・技術が関わる問題が顕在化するとき、権威側(その科学・技術の専門家や国など)はどうしても「欠如モデル」的コミュニケーションをとってしまいがちです。
メディア言説を分析、問いに挑む
科学技術の進展は著しく、次々と新しい知が生み出されています。
科学技術と社会の関わりがますます複雑になり、不確実性も高まっていくなかで、専門家ではない人々はどのような科学的リテラシーを身につければ良いのでしょうか。そもそも、身につけるべきだというリテラシーの中身を決めるのは誰なのでしょうか。
私は、科学・技術が関わる問題をめぐるメディア言説を分析しながら、そうした問いに挑んでいます。
もともと大学院では生命科学を専攻し、植物分子生物学とバイオインフォマティクスを掛け合わせた研究で博士号を取得しました。その後、民間企業での新事業開発業務に従事するなかで、科学技術と社会の界面に生じるさまざまな問題解決のために何ができるのかに関心を持ったことが、今の分野に進むことになった理由です。
「日本の科学技術リテラシー像構築の議論における「専門家」の政治性に関する研究」
◆主な業種
(1) コンピュータ、情報通信機器
(2) ネットサービス/アプリ・コンテンツ
(3) 小売(百貨店、スーパー、コンビニ、小売店等)
◆主な職種
(1) セールスエンジニア・技術営業
(2) コンテンツ制作・編集<クリエイティブ系>
(3) 商品企画、マーケティング(調査)
実践女子大学人間社会学部は、人間社会学科・ビジネス社会学科・社会デザイン学科の3学科で構成されています。
本学部の特徴の一つが、1年次は学部に所属して社会学・心理学・経済学・経営学などの基礎分野を幅広く学んだ上で、2年次から個々の関心や目標に合わせて学科を選択できることです。私が所属する社会デザイン学科の専門領域はソーシャル・データサイエンスやメディア情報学、科学技術社会論などですが、幅広い視野を持っているからこその分野横断的な研究テーマに取り組むことができます。
Q1.一番聴いている音楽アーティストは? Beyoncé: アルバム『LEMONADE』が好きで、なかでも「Formation」を聴くと仕事がはかどるような気分になります。 |
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Q2.感動した/印象に残っている映画は? 『ロード・オブ・ザ・リング』(The Lord of the Rings)三部作: 子どもの頃に夢中になって読んでいた「指輪物語」(トールキン著)の世界観が、想像を超える壮大なスケールで映像化されたことに感動しました。 |
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Q3.学生時代に/最近、熱中したゲームは? 『グランツーリスモ』シリーズ: レーシングコックピットを自宅に装備する程度には好きですが、子どもができてからは時間と場所がなく、片付けられたままになっています。 |
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Q4.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? 子育て: 大変だけど、めっちゃ楽しい! |