最近の日本のバスケットボールの発展は目覚ましいの一言です。2016年には、ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(Bリーグ)が新たに発足。FIBAバスケットボールワールドカップ2019 アジア地区予選を突破し、ついにワールドカップへの出場を決めました。さらに東京オリンピック出場へと期待に夢は膨らみます。まさに大躍進中の日本のプロバスケットボールチームです。
状況判断能力を明らかにし、評価テストも作成
私はバスケットボールのコーチング学を専門に、バスケットボールにおける、プレイヤーのゲーム中の状況判断能力について研究しています。スポーツの運動技能と同様に、状況判断にも得意・不得意があり、状況判断能力を把握することなく指導することは効果的ではありません。技能が高くても、状況判断力が低い選手もいるのです。
具体的には、バスケットボールのゲームにおける「速攻」「スクリーンプレイ」「個人的攻撃状況」「非ボール保持者のプレイ」の状況判断能力構造を明らかにしました。さらに、プレイヤーの状況判断能力を簡易的に評価できるテストを作成しました。これらの成果によって、効果的な状況判断力のトレーニングや、状況判断能力に応じた戦術トレーニングのためのコーチングに貢献することができたと考えています。
一般的な傾向は?
- ●主な職種は→教員(保健体育)
分野はどう活かされる?
中学校や高等学校の教員となり、バスケットボールや他の球技スポーツの指導をしています。体育授業でも状況判断の重要性を指導しているようです。
データを収集してそれを分析すると、主観的な印象と異なる評価がなされることがあります。多くのことには原因と結果があるので、結果だけで判断することなく、その原因を探求してみてください。なぜそうなるのかを考えることはとても大切です。
スポーツ学部では、球技における技術・戦術を解明するためのゲーム分析、陸上競技や体操競技などの個人種目における技術分析や指導方法、また種目を問わずコーチングや教科指導などの研究が行われています。全国的に活躍する部活動も多いので、スポーツの各種目における実践的な研究が盛んです。