電力工学・電力変換・電気機器

たった1%の省エネでも世界規模なら莫大な効果~電力変換器の小型軽量化


伊東淳一 先生

長岡技術科学大学 工学部 電気電子情報工学課程 電気エネルギーシステム・制御工学コース/工学研究科 電気電子情報工学専攻、技術科学イノベーション専攻

どんなことを研究していますか?

パソコン本体と壁のコンセントの間は、ACアダプターというものでつながっています。送電されてくる電圧は交流で、パソコンは直流で動くため、交流から直流に変換しなければならないからです。ACアダプターはそのために必要です。携帯電話を充電するには、充電用のアダプターを持ち歩く必要があります。この場合、携帯電話と充電用バッテリーはどちらも直流ですが、動作可能な電圧が異なるために、2つの間に電力変換のアダプターが必要なのです。電力変換回路の小型軽量化・高効率化が進めば、スマートフォンに一体化することが可能となり、持ち歩く必要がなくなります。

電気エネルギー効率を考えるパワーエレクトロニクス研究

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私はパワーエレクトロニクスを専門にしています。パワーエレクトロニクスとは、電気エネルギーを効率よく使うための技術です。日常で使われる携帯機器や家電製品から発電所などで用いられる大型の装置まで、多種多様な装置にパワーエレクトロニクス技術が応用されています。

その中で私たちは、ACアダプターなど様々な電力変換器の研究をしています。また電子回路の小型化・高効率化をテーマに、新しい回路や制御の提案を行っています。電気自動車やハイブリッド自動車なども、モーターやバッテリー、モーターを駆動する電気回路を軽量化することができれば、走行可能距離がより伸びることとなります。消費されるエネルギーを削減することにもなります。消費エネルギーをたった1%でも減らすことができれば、それは世界の省エネルギー化に大きく貢献することになります。

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実験の様子

学生はどんなところに就職?

一般的な傾向は?
  • ●主な業種は→重電、電機メーカ、自動車メーカ
  • ●主な職種は→研究・開発職
  • ●業務の特徴は→電力変換技術に関する技術開発、新製品の開発
分野はどう活かされる?

パワーエレクトロニクス技術は、電気エネルギーを消費している機器のほぼすべてで必要となる技術です。そのため、研究を通じて学んだ電力変換技術等を活かし、企業においても家電向け電力変換回路、ハイブリッド自動車向け電力変換回路、自然エネルギー発電向け電力変換回路、無停電電源装置などの開発に携わっています。

先生から、ひとこと

電気は目に見えませんが、パワーエレクトロニクスは電気を力に変えたり、光や熱に変換したりするために使われていて、みなさんの身近にある分野です。一緒に最先端の技術で世界を変えていきましょう。

先生の学部・学科はどんなとこ

実験や実習を重視し、モノの原理や仕組みだけでなく、実際に使われるところまで、謎の解明や研究、開発を行います。すなわち「技術」を「科学する」大学です。

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学生も学会に参加して、自分たちの研究をポスターにまとめ、発表します。

先生の研究に挑戦しよう

電池の電圧を変える回路を作成し、LEDを点灯させてみましょう。電圧を変えることでLEDの明るさが変わることが確認できます。

興味がわいたら~先生おすすめ本

絵ときでわかるパワーエレクトロニクス

粉川昌巳

「電力工学・電力変換・電気機器」の学問分野の中のパワーエレクトロニクスに特化し、パワーエレクトロニクスとは何か、どのようなところで使用され、この技術を応用することで何ができるようになるか、図を用い丁寧に解説している。パワーエレクトロニクスに興味を持った初学者が読むのに適している。 (オーム社)


マンガde電力応用

高橋達央

電気を電力源として駆動する家電や機械などに私たちの生活は支えられている。そんな電力応用について、照明、電熱、自動制御、電気化学、電気鉄道の分野から解説する。筆者は電気工学出身の漫画家。 (電気書院)


本コーナーは、中高生と、大学での学問・研究活動との間の橋渡しになれるよう、経済産業省の大学・産学連携、および内閣府/総合科学技術・イノベーション会議の調査事業の一環としても、学校法人河合塾により、企画・制作・運営されています。
各先生の所属など、掲載されている大学(学部・学科ほか)の名称は、2020年1月段階の調べによります。実際の進路選択等に際しては、各大学のHP等で改めてご確認ください。

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