生物・バイオ系の本

ノックアウトマウスの一生

八神健一

生命現象の解明や医療に向けた研究を支えている実験動物「マウス」に感謝しつつ、その活躍ぶりが紹介されている。著者は実験動物学の第一人者の一人。実験動物として古くから使われているマウスについて、その背景から始まり、なぜマウスを使うのか、どのような研究に利用されるのかについて、わかりやすく書かれている。ノックアウトマウスやトランスジェニックマウスなどの作り方を含めた技術的な点についても、歴史からその応用に至るまで幅広く解説。一般向けとしては多少難しい部分もあるが、実験動物を扱う研究についての全体像が見えるだろう。 (技術評論社)



人類大移動 アフリカからイースター島へ

印東道子:編

アフリカで誕生したヒトが世界中に拡散する過程をわかりやすく解説する。人類の地球規模の移動をテーマに、形態学、遺伝学、霊長類学、古環境学、言語学、考古学、古地理学、民族学など12人の研究者がそれぞれの専門分野から、2012年刊行時点での当時の最新の研究を紹介している。人類学はいろいろなアプローチ方法・分野があるが、この本は、自分の興味がどの分野にあるのかを見つけるのに適した書だ。ひとつの仮説だけを紹介するのではなく、別の仮説がある場合にはそれも紹介している。これは科学の客観性を示している点で、良い書籍だといえる。 (朝日選書)



サイボーグ昆虫、フェロモンを追う

神崎亮平

昆虫ロボットとは、昆虫の優れた能力を工学的に応用し、昆虫模倣ロボットを作り出す技術のこと。著者は専門が神経行動学で、この昆虫ロボット研究では最も著名な研究者の一人だ。この本では、昆虫ロボットや昆虫の脳を模したコンピュータなどを使った,最先端の研究が語られている。 (岩波科学ライブラリー)



地球環境46億年の大変動史

田近英一

地球環境がこれまでの歴史でどのように変遷してきたのか。地球が誕生して46億年。その間の地球環境の変化は、生物の進化の変遷の歴史でもある。そしてその進化の原動力の大きな一群が植物であり、陸上環境を一変させるきっかけとなったのがコケ植物の陸上への上陸だ。現在のコケ植物が、乾燥や寒暖、強烈な日光などの厳しい陸上環境にどのように耐え抜く能力を獲得してきたのか、この本はその変遷や適応能力の秘密を学ぶことができる。地球の全休凍結をくぐり抜け、激動の環境変動にも耐えて進化を続ける生物の逞しさを想像することができるエキサイティングな本だ。 (DOJIN選書)



チンパンジー ことばのない彼らが語ること

中村美知夫

著者は、タンザニアのマハレ山塊を中心に野生チンパンジーの社会を研究している。野生動物を観察することは、忍耐がいる。単に観察するだけではなく、そこで観察したものがなぜ面白いかを考える必要がある。この本からは、チンパンジーの野外調査を知ることができる。自身のサイトでは研究成果の一般公開をするとともに、チンパンジーの行動や食べ物、その他の動物、アフリカの人々の暮らしなども写真を中心に紹介している。http://jinrui.zool.kyoto-u.ac.jp/nakamura/中村美知夫のページ (中公新書)



ソロモンの指環 動物行動学入門

コンラート・ローレンツ

動物の行動を科学的に捉え、そのメカニズムや本質をわかりやすく、かつ面白く伝えている。この本を通して、著者の動物に対する愛情が非常に感じ取れる内容でもある。著者はオーストリアの動物行動学者。刷り込みの研究者で、近代動物行動学を確立した人物のひとりとして知られる。刷り込みとは、鳥に、孵化後一定時間内に人や動物、あるいは物体を見せ追尾させると、その鳥は一生それを追尾するようになるという現象のこと。またこの本の翻訳者、日高敏隆博士は、日本の動物行動学の第一人者。日本に動物行動学を最初に紹介した人であり、ヨーロッパの代表的な動物行動学者の日本語訳も多い。 (日高敏隆:訳/ハヤカワ文庫)



小鳥はなぜ歌うのか

小西正一

著者は小鳥のさえずりに関する研究の第一人者で、フクロウの聴覚を観察することで動物行動学と大脳生理学を結合させたことで知られる。小鳥はなぜ鳴くのか。天敵の気配を察知すると警戒鳴き、縄張り争いから、恋のささやきまでエピソードを中心に説明し、小鳥の歌の研究からみた人間の心理まで話は及んでいる。 (岩波新書)



ときめき昆虫学

メレ山メレ子

普通のOLが、旅先で出会った虫の魅力に目覚めた!まさに現代の“虫愛づる姫君”。研究者ではない視点から研究者を面白おかしく紹介しており、研究者への親近感を伝えている。Web文芸誌・マトグロッソの連載「ときめき昆虫学」を単行本化したものだ。同ウエブサイトの『ときめき昆虫学』特設ページに、水生昆虫専門家の指導のもとゲンゴロウを採集中のどろんこまみれの取材風景などが紹介されていて、体当たりの奮闘ぶりが伝わってくる。 (イースト・プレス)



プラチナデータ

東野圭吾

人気ミステリー作家、東野圭吾の小説。DNA捜査によって検挙率100%、冤罪率0%をめざす近未来の日本を舞台に、警察庁特殊捜査機関の天才科学者と、それを追う刑事を描いた作品だ。遺伝学、ゲノム科学の興味がわく。『るろうに剣心』の大友啓史監督が映画化。二宮和也、鈴木保奈美主演。 (幻冬舎文庫)



見た目の若さは、腸年齢で決まる

辨野義己

乳酸菌による腸内フローラ制御といった基礎的研究内容から、健康にもたらす実際の影響を幅広く解説している。大腸がん、花粉症、アレルギーなどと腸内環境の関係を探り、病気の治療から予防に至るまでの活用について解説する。 (PHPサイエンス・ワールド新書)


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