生物・バイオ系の本

食欲の科学

櫻井武

食べたいという欲求を脳に伝え、食行動へとつながっていくメカニズムを明らかにしている。著者は医師。覚醒を制御する神経ペプチド「オレキシン」を発見。脳内新規分子の探索を進めつつ、睡眠・覚醒機構のほかに、この本のような摂食行動の制御機構、情動の制御機構の解明をめざしている。食欲はどのように生じるかが、わかりやすく記載されている。 (ブルーバックス)



生命をあやつるホルモン 動物の形や行動を決める微量物質

日本比較内分泌学会::編

私たちの体の中には微量にしか存在しないにも関わらず、生体調節に重要なホルモンがたくさんある。これらが働くことにより、環境に適応したり、次世代を作ったりしていくことができることが、様々な動物を用いてホルモンの働きがわかってきた。それらについて最先端の研究者がわかりやすく説明している。比較内分泌学という学問分野が扱ってきた、様々な動物におけるホルモンの構造やその働きがわかる。 (ブルーバックス)



オスとメス=性の不思議

長谷川真理子

約15億年前、ゾウリムシのような単細胞の原核生物が誕生した頃、細胞核に生殖核を持つものが現れた。まだオスメスの性差は生まれていないが、これが自分の子孫を残すための生殖を目的とする性の起源と言われている。著者は人類学者。進化生物学の観点から人間の行動性向を理解しようとする著作が多い。進化心理学とは、ヒトの心理メカニズムの多くは生物学的適応であると仮定し、ヒトの心理を研究するアプローチのことだ。特に性にまつわる問題への関心が高く、この本では、性の起源を説き起こし、動物のオスメスからさらに進化して、どのような人間的な男女関係が築かれていったかまで解説している。 (講談社現代新書)



つい誰かに教えたくなる人類学63の大疑問

中山一大、市石博:編

監修者の日本人類学会教育普及委員会とは、若い世代の理科離れや人類学および人類学会の将来的危機を危ぶみ、一般教養としての最新の「人類学」をより的確に紹介できるような場所、機会を作ることをめざした日本人類学会のプロジェクトチーム。この本は、「生き物としてのヒトについて学ぶことの楽しさ」「ヒトとは何か」をわかりやすく、現役の高校の生物教師が研究者にインタヴューするというスタイルで書いている。

(日本人類学会教育普及委員会:監修/講談社サイエンティフィク)



有限の生態学 安定と共存のシステム

栗原康

フラスコの中という閉じられた世界でバクテリア、原生動物、クロレラなど5種類の生物はいかに共存するのか。フラスコ内の生態系、ウシの胃の中の生態系、宇宙基地という隔離された生態系と、それぞれの生態系を描き、共存について考える。 (岩波書店)



捕食者なき世界

ウイリアム・ソウルゼンバーグ

生態系は、どのようにして維持されているのか。様々な野外研究の結果、その地域の「捕食者」となる動物が鍵であることを明かす。「捕食者」が絶滅することが、いかに生態系の崩壊を招くのかを明らかにし、自然環境を復元する難しさと、そのために必要なことを考える本。野生動物の世界と自然保護に興味がある人におすすめしたい。 (野中香方子:訳/文春文庫)



ときめき昆虫学

メレ山メレ子

普通のOLが、旅先で出会った虫の魅力に目覚めた!まさに現代の“虫愛づる姫君”。研究者ではない視点から研究者を面白おかしく紹介しており、研究者への親近感を伝えている。Web文芸誌・マトグロッソの連載「ときめき昆虫学」を単行本化したものだ。同ウエブサイトの『ときめき昆虫学』特設ページに、水生昆虫専門家の指導のもとゲンゴロウを採集中のどろんこまみれの取材風景などが紹介されていて、体当たりの奮闘ぶりが伝わってくる。 (イースト・プレス)



見た目の若さは、腸年齢で決まる

辨野義己

乳酸菌による腸内フローラ制御といった基礎的研究内容から、健康にもたらす実際の影響を幅広く解説している。大腸がん、花粉症、アレルギーなどと腸内環境の関係を探り、病気の治療から予防に至るまでの活用について解説する。 (PHPサイエンス・ワールド新書)



地球環境46億年の大変動史

田近英一

地球環境がこれまでの歴史でどのように変遷してきたのか。地球が誕生して46億年。その間の地球環境の変化は、生物の進化の変遷の歴史でもある。そしてその進化の原動力の大きな一群が植物であり、陸上環境を一変させるきっかけとなったのがコケ植物の陸上への上陸だ。現在のコケ植物が、乾燥や寒暖、強烈な日光などの厳しい陸上環境にどのように耐え抜く能力を獲得してきたのか、この本はその変遷や適応能力の秘密を学ぶことができる。地球の全休凍結をくぐり抜け、激動の環境変動にも耐えて進化を続ける生物の逞しさを想像することができるエキサイティングな本だ。 (DOJIN選書)



光合成とはなにか 生命システムを支える力

園池公毅

光合成とは、二酸化炭素を取り入れ、光のエネルギーを用いて有機物を生成する過程のことで、植物だけが持つ優れた働きのこと。動物はこの生命システムを支えるエネルギーを自分では作れないわけだから、地球上の生命体はみな植物の光合成の恩恵をうけているといえる。光合成というと、中学校、高校で習ってきたのに、まだわからないことがあるのかと思うだろう。そんな疑問を持つ人に、この植物生理学の分野の研究者が何を面白いと考えて研究しているかを、平易な文章でわかりやすく紹介している。 (ブルーバックス)


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