がんの原因・老化細胞を退治しよう
病気の原因は「細胞の老化」
私の研究の専門分野は「老化」です。ヒトは誰でも年をとります。そして年をとると病気になる確率があがります。
なぜヒトは年をとり、そして病気になるのでしょうか。実は、私たちの体を形作る細胞も、生まれてから一緒に年をとっていて、この「細胞の老化」が病気の原因となることがだんだんとわかってきました。
私は今、東京の「がん研究所」で研究をしています。がんも、年をとるとかかる病気の一つであり、今では日本人の二人に一人はがんになり、三人に一人はがんで亡くなってしまいます。
何故、年をとるとがんになってしまうのか。その疑問を解決するために毎日研究を行っています。
老化細胞の分泌物質ががん発症につながる
さて、老化した細胞がどのようにがんを引き起こすのか、
つまり、老化細胞がポイポイと細胞の外に出しているものが、
中でも、老化細胞では「細胞外微粒子」
そこで私は今、老化細胞が分泌する細胞外微粒子の研究をしていま
さらに、老化細胞が体に悪い物を分泌するのだとしたら、
実際にそのような薬の開発が世界中で進められていて、私は今、
◆テーマとこう出会った
大学へ進学する時は、自分が研究者になるなんて想像もしていませんでした。では、なぜ私が研究者になったかというと、単純な話で、実際に実験をしてみたらとても楽しかったからです。
大学院生の時に「細胞が老化する」という現象に興味を持ち、いつか老化の研究をしてみたいと思っていたところ、たまたま学会で専門の先生の発表を聞きました。そしてその先生にすぐにメールを出して弟子入りを志願したところ、幸運にも研究室へ参加することが許されて、それ以来細胞老化の研究を行っています。学生時代のほんの少しの勇気で、今の研究テーマに出会えた幸運に、今でも感謝しています。