三密だって避けられる。情報技術が人の行動を変えていく
買い占め騒動、情報が人の行動を左右する
テレビで紹介されたお店が混雑したり、食材が売り切れたりするというニュースを、繰り返し見ていると思いませんか。私たちはテレビだけではなく、スマートフォンからも情報のシャワーを常時浴び続けています。そして、情報を自分の頭の中で解釈して、自分なりに行動を決定します。
外出自粛、三密を避ける行動、手洗いうがいなど、皆さん頑張りましたよね。一方、今回の新型コロナウイルス感染拡大の中で、トイレットペーパーの買い占め騒動なども起きました。これは、間違った情報に基づいて多くの人が行動を決定してしまったことを意味します。つまり、情報を制御することは人間を制御することとも言えます。
情報の力で社会を円滑に
私の研究は、この情報の力を、社会を円滑にするために使うというものです。例えば、公共交通機関や公共施設の混雑度を可視化して提供すれば、みんなが密を避ける行動を自主的に取るようになる可能性があります。
GPSで混雑度を可視化。ついでに楽しく
そのためには、いかに簡単に混雑度を測るかという研究が必要になります。皆さんのスマートフォンに搭載されているGPSを使えば、位置情報から施設ごとの混雑度がわかります。どうせ位置情報を使うのであれば、ついでに、ウォーキングゲームとセットにすれば、楽しく歩いて健康になるきっかけを作れるかもしれません。
このような人の行動に作用する情報技術を研究することで、人類が幸せに暮らせる社会を実現したいと考えています。
→先生のフィールド[社会デザイン] 平成28年度採択課題ではこんな研究テーマも動いている!◆テーマとこう出会った
きっかけは、『Ingress』や『Pokemon Go』といった位置ゲームが流行り始め、仮想空間のアイテムを求めて人間が歩き回る姿を見たからです。このエネルギーを、地域振興や観光、健康増進に応用できると感じました。
もう1つのきっかけは、Apple Watch 2から搭載されたアクティビティリマインダ機能です。これは、時計が持ち主に対して、起立!、瞑想!と命令する機能です。持ち主の健康状態をセンサで観測して、薬のような働きをしてくれるわけです。
機械が人間より得意なことは、常時監視できること、膨大な情報を保持・整理できることです。今後は、機械が人間の健康を支えていくんだなと思いました。
◆大学院時代に
先輩とプチベンチャー起業をしたことも、今の研究につながっています。プログラミングができればアプリを作れて、アプリを売ればお金に変わるということを体験しました。
同じ頃、iPhoneが発売され、たくさんのアプリ長者が誕生しました。お金以上に魅了だったのが、個人として有名になれることで、これからは個の時代だなと思い、大きな会社に就職するのを辞めました。
◆出身高校は?
久留米大学附設高校
「情報ネットワーク」が 学べる大学・研究者はこちら (※みらいぶっくへ)
「13.IT・AI」の「49.通信、ネットワーク/IoT、セキュリティ系」
原隆浩
大阪大学 工学部 電子情報工学科/情報科学研究科 マルチメディア工学専攻
【モバイルデータに関する研究全般】
ものすごい数の論文を書いています。これだけの研究をコンスタントに遂行できる能力を身につけたい。
大越匡
慶應義塾大学 政策・メディア研究科
【プッシュ通知】
人間が情報に気づきやすいタイミングを解明しています。Yahooと組んで数十万人規模の実験を実施し、プッシュ通知の有効性を明らかにした点は誰にも真似できないと思います。
松田裕貴
奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 情報科学領域
【参加型センシング】
みんなのスマホを使った都市センシングをしています。モバイルアプリの実装力、実験の遂行能力が素晴らしいです。外国の研究室と連携して、海外で観光実験をするという難易度の高い試みも成功させています。
◆i研究室で開発したバス停混雑度可視化システムitoconがKBCの朝の情報番組アサデス。で紹介(研究室HP)
◆混雑度可視化アプリitoconを公開(研究室HP)
◆新しい生活様式の実現に向け、時差通勤・通学を促すためバス停混雑度情報可視化システムの提供開始!(九州大学HP)
混雑度可視化アプリitoconは、バス停の混雑度をリアルタイムに可視化して、時差出勤、時差通学という行動変容を起こすものです。
工学部・電気情報工学科と大学院のシステム情報科学府は、電気系と情報系が一つになった組織です。IoTを学ぶ場合、センサ、通信、データ処理と、様々な領域の知識が必要になってきます。センサの開発や回路の設計といった電気系の知識と、機械学習や通信プロトコルやセキュリティといった情報系の知識の両方を学ぶことができる点が特色です。
Q1.18歳に戻って大学に入るなら何を学ぶ? 医学部 |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? ドイツ。1年住んでいて、とても気に入りました。日本に近い雰囲気です。 |
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Q3.感動した映画は?印象に残っている映画は? 『アバター』、『バック・トゥー・ザ・フューチャー』 |
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Q4.熱中したゲームは? 『ぷよぷよ』。研究室内で競い合ってました。 |
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Q5.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? 広告代理店。全国の新聞と雑誌を読むという仕事です。 |
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Q6.研究以外で楽しいことは? 料理と畑 |