DNAを素材にものづくり!分子マシン、分子ロボットの開発を目指す
SFが描くナノの世界が現実に
ナノマシンやナノロボットと聞くとサイエンスフィクション(SF)の映画やアニメを連想される方も多いでしょう。ナノメートル(=10-9 m)は、私たちの髪の毛の太さの100万分の1ほどのスケールです。
そんな極微の世界で、自由自在に人工物をデザインし工作することができるとしたら? SFで描かれてきたものが、ぐっと現実味を帯びて感じられるのではないでしょうか。
DNAは人工的に合成できる高分子
私の研究では、生体分子、とくにDNAを素材としたナノスケールのものづくりに取り組んでいます。
DNAというと、私たち生物の「遺伝情報を担う物質」というイメージが強いかと思います。しかし、生物のからだのなかにあるものだけがすべてではありません。DNAは化学の力によって人工的にも合成できる高分子です。
化学合成したDNAを素材に、さまざまなナノ構造を創り出す技術は「DNAナノテクノロジー(DNAナノテク)」と呼ばれ、ここ十数年ほどで急速な発展を遂げています。
DNAを混ぜ合わせると望みの形に
材料としてのDNAの魅力は、塩基配列というかたちでデザインした構造の「組み立て方」を「分子そのもの」にプログラムできる点にあります。そのため、部品となる個々の分子(=DNA)をきちんと設計・用意してあげれば、それらを混ぜ合わせるだけで、望みの形状が自発的に組みあがります。
細胞とコミュニケーションするロボットも
このような技術をもとに、DNAを主素材としたさまざまな分子装置や分子機械、そして、それらを制御するための仕組みについて開発研究を進めています。
生体分子を素材としている点を活かして、最近では、生きた細胞とコミュニケーションする人工物をつくれないかと模索しています。生きた細胞の状態を読み取って適切なフィードバックを返す、そんな細胞に寄り添って共存する分子スケールのロボットを思い描いています。
Q1.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? スペインでしょうか。短期留学したことがあるのですが、文化・芸術はもちろん、食も楽しめます。 |
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Q2.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? 神輿の担ぎ手、文章翻訳の補助。 |
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Q3.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? 魚釣りです。四季折々、いろいろな魚種に挑戦しています。捌き方も少しずつ勉強しています。 |