気候変動で、北極域の永久凍土と現地の人々の生活はどうなる
研究地域の空気や匂いを大切に
皆さんは、旅行などで初めての地に降り立った時、なんとも言葉にできない雰囲気から「違うところに来たな」と感じませんか。私は、研究対象であるシベリアやモンゴルを訪れるたびに感じる空気や匂いの感覚を大切にしています。
科学的観測でわかるのは、世界の一面にすぎない
これまでの自然科学は、地球の有り様をどうやって知るかを生物、化学、物理の原理に基づいて測ることで高度に分析、予測できる科学になりつつあると考えられています。
しかし研究が進展する反面、実際に野外で生の地象、気象、生態系の様子を目の当たりにすると、私たちが得てきた様々な科学技術で「観測してわかる」のは、意外と限られた世界なのだなということを痛感していくようになりました。
影響を受ける人々たちと協働
現在の地球環境科学は、人類が起こした作用と自ら被る影響についても考慮しないといけない時代に入っています。今後の問題探求のためには、「ハンマーを持つ者にはすべてが釘に見える」といった科学の狭い使い方をするのではなく、様々な研究分野はもちろん、その地域で実際に影響を受ける多くの人たちとの協働が重要になってきます。
私の研究対象は、気候変動で最も脆弱性が高い地域の一つである、北極域の永久凍土帯の環境変化と、そこに住む人々(特に先住の人々)への影響を明らかにすることです。
それは、言葉にできなかった自然の変化の全体、そして自然と人との複雑な関係を、多くの研究者と共に解き明かそうとする壮大で新しい「地球の学」なのです。
「凍土環境利用と保全に向けた凍土荒廃影響評価の共創」
◆「フューチャー・アース学研究室」では
地域問題を地球規模の変化から考えるという視野を広げるため、地理情報やリモートセンシングの解析手法をベースに、様々な環境変化事象を扱う研究例を学んでいます。
三重大の生物資源学部は、農林水産の主要研究分野群で構成され、農学系学部を持つ全国の大学の中でも、その幅広さは随一です。特に地球環境学の講座を併せ持つのは比類がなく、気象学・海洋学を始め、地球環境を学際的に学べる環境があります。高校の理科科目すべてを複合した発展型として、地球規模から地域実践までの生物資源という大きな枠組みに基づく学問分野の連携という形で習得できる環境にあるのです。
Tunnel Man (動画)
Permafrostvideo(チャンネル)
私の研究対象である「永久凍土」がどういうものであるか、その実態を高校まで(そして大学でも)授業で習うことはほとんどないでしょう。それは世界的に見ても同様で、アラスカ大の吉川さんは、自らの友人“トンネルマン”を通じて永久凍土の成り立ちや分布、その特徴や地球環境変化との関係を、特撮映画顔負けの動画で紹介しています。何はともあれ、英語の勉強もかねて、永久凍土とは何なのか、この動画(エピソード5まであるようです)を見てください。
[YouTubeへ]
Q1.一番聴いている音楽アーティストは? フィッシュマンズ。ドライブ用です。特に『頼りない天使』。どの曲もいいですが、特に人生観とシンクロしている感じです。 |
|
Q2.感動した映画は?印象に残っている映画は? 『メリーポピンズ』。記憶では最初に見た映画です。オープニング曲だけで心躍ります。 |
|
Q3.大学時代の部活・サークルは? 合氣道部。演舞が好きな業師でした。 |
|
Q4.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? 調査地でお世話になった山小屋で、夜にオーナーの方から頼まれて、星の解説を泊まっている登山客にしたことです。 |
|
Q5.研究以外で楽しいことは? 産まれた子の離乳食作り、いつも完食してくれるので作りがいがあります。 |