子どもが運動をする効果を、2万人のビッグデータで解き明かそう
それはほんまか!子どもの研究
私は運動やスポーツの研究をしています。中高年を対象とする研究では、医学系の研究者と一緒のことが多く、どのような運動やスポーツが中高年の方に勧められるのか、などをディスカッションし明らかにしてきました。
一方、私は子どもも対象にしていますが、子どもに関する運動やスポーツの研究をしている研究者(こちらは体育やスポーツ科学系の研究者が多いです)とディスカッションすると、「それはホンマかな〜(関西人なので)」と思うことが多くありました。その理由は、中高年の場合、運動をする・しないによって病気になる、要介護状態になる、時には死んでしまうなどの結果があります。
しかし、子どもの場合は、そのような結果が示しにくいのです。したがって、「体力が向上した」などの短期的な効果で評価したり、「子どもはこうあるべき!」のように最初から結論が決まっているような研究が多いな、と私は感じていました。
全国の子どもたちの身体活動や睡眠のデータを収集
実際には、中高年の研究と同じように、はっきりした結果が出るまで長期間追跡すれば良いのですが、子どもが対象だと年月がかかり過ぎます。そこで私は全国各地の先生のご協力のもと、大規模な調査を実施しました。
その結果、2万名を超える思春期の子どもたちの身体活動・睡眠・体格・生活習慣などのデータが集まり、ビッグデータから、これまで見えなかった子どもたちへの運動の効果を、明らかにできるのではないかと期待しています。
「全国大規模調査による思春期小児の身体活動・生活習慣と睡眠の検討」