次世代集積光回路にもつながるフォトニック結晶の開拓
光の速度や反射を変える人工材料とは
光を自在に操るにはどうしたらよいでしょう?レンズやプリズムで十分でしょうか?当然ながら否です。実は、光の波長よりも小さな構造を光が通過すると、その性質が劇的に変わることがあります。
代表的な構造にフォトニック結晶と呼ばれる人工材料があります。フォトニック結晶を使うと、光の進む速度が何桁も遅くなったり、通常ではあり得ない方向に反射したり、超強力なレーザーになったりと、兎に角いろいろなことが起きます。
物質に光の波長より小さな穴をあける
私はこのフォトニック結晶をさらに発展させる研究をしています。主に透明な物質に小さな穴をたくさんあけてフォトニック結晶を作り、光の振る舞いを調べています。
皆さんが目にする光の波長は400-700 nmですから、それよりも大分小さな穴を正確にあける必要があります。そこで電子線リソグラフィーと呼ばれる微細加工技術を活用しています。
遊び心から新たなフォトニック結晶
でもある日、いつもの材料に同じような穴をあけるだけでは物足りなくなりました(笑)。そこで、これまで注目度の低かった材料に穴をあけたり、穴をあけた材料をレゴブロックのように好き勝手に積み上げて組み合わせたりと、ある種遊びの延長のような研究をしています。
ただ、新しい材料や構造には新しい物理や機能が必然的に備わっていますので、きちんと役に立つ研究にもなっています。また、ナノ構造を自在に積み上げる技術は、次世代集積光回路の作製でキーとなるハイブリッド光集積への活用も期待されています。
行き当たりばったりで今の研究に行き当たっています。受験勉強にはそこまで興味が湧かなかったようで、高校卒業後は浪人し、二度目の大学受験も失敗でした。でも、大学で学問の楽しさに目覚めました。
学部のカリキュラムなぞ気にせず、ひたすら目の前の楽しいと思うことを幅広く学びました。大学院の進学先も適当に選んだのが良かったのか、今度は研究の面白さにハマりました。その後は面白そうなことを追っかけていたら今に至る、という感じです。
◆ 太田研究室HP
入学してからじっくり自分の専門を選べるカリキュラムとなっていて、物理なのか情報なのか幅広く学びながら決めることができます。また、光に関する研究者がたくさんいて、量子情報からものづくりまで最先端の研究を経験することができます。さらに、学生さんが日本を飛び出して海外で研究を進めるための仕組みも充実しています。
Q1.一番聴いている音楽アーティストは? くるり『東京』 |
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Q2.大学時代の部活・サークルは? サッカーと英語ディベート |
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Q3.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? 春日大社のテント設営 |
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Q4.好きな言葉は? 粗にして野だが卑ではない |