野生植物の栄養価に着目!「そこにあるもの」で栄養改善を
アフリカの「あるもの探し」をしてみよう
アフリカの生活を改善する(開発や発展、貧困削減)ということに焦点を当てると、つい「ないもの探し」になってしまうことがあります。食糧が足りない、安全な水へのアクセスがない、教育へのアクセスが難しい、政策が悪い…などと、「ないもの」や悪いことを探し、それを改善することも必要です。でも、少し視点を変えてみて「あるもの探し」をしてはどうでしょうか。
数字の上で見ると、多くのアフリカの地域では食糧が不足していると理解されますが、統計で把握されているのは売買される作物で、家で食べる自給作物は把握されていません。さらに食糧不足というと、栽培作物で判断することが多いですが、実は栽培している作物以外にも、森や林の木の実、畑の雑草、野生芋なども食料として活用されています。ただ、現地の若者には「おくれている」「恥ずかしい」という認識も存在します。
どんな野生植物が食べられているか
このような視点から、私は、アフリカ、特に私が長年研究対象としている東アフリカのタンザニアで、どのような野生植物が食べ物として活用されているかを調査しています。また、野生植物の栄養価に関する研究はあまりなされていないので、栄養分析も進めています。
地域資源の価値を明らかにすることによって、地域で野生食用植物が見直され、人びとの栄養・健康・生活改善につながるとともに、生活圏にある自然環境の豊かさを理解や自然保護にもつながるきっかけになれば、と考えています。
飢餓や食料不足に対して、地域資源の有用性を見直して対応することで、健康改善につながります。植物の価値の理解が深まり、陸の環境を守るきっかけともなります。
◆先生が心がけていることは?
なるべく地域の資源・そこにある知識を活用し、「あるもの探し」をすること。
「東アフリカの野生食用植物・在来食の可能性―タンザニアにおける栄養分析を通して」
◆阪本先生のページ
◆阪本公美子教員インタビュー
◆宇都宮大学 阪本公美子
◆その他の科研研究
◆Research map 阪本公美子
◆英文での研究発表 Research gate Kumiko Sakamoto
宇都宮大学国際学部は、国立大学における最初の国際学部です。多様な分野から、国際的な視野を学べます。また、内なる国際化について学べることも特徴です。
Q1.18歳に戻って大学に入るなら何を学ぶ? 植物学 |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? タンザニア |
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Q3.研究以外で楽しいことは? 庭で自生している木の剪定 |