ナノサイズの薄さ+元素置換による変化を活用した高機能材料
ナノメートルサイズに薄くすることで幅広い応用が可能
遷移金属ダイカルコゲナイドは化学式MX2(M=遷移金属、X=カルコゲン(カルコゲンは、S、Se、Teの総称))の化合物であり、その多くは図の左上に示すような層状の構造をしています。この層を剥離することで厚さが数ナノメートルのナノシート(図の右上)になります。
厚さをナノメートルサイズに薄くすることで元々の層状の構造とは異なる性質を有し、大変興味が持たれています。特にMoS2のナノシートは、半導体、センサー、触媒等への幅広い応用が期待されています。
元素の一部を別の元素に置換することで生じた性質を活用
一方、金属や無機化合物では、元素を一部別の元素で置換することで性質が変化します。例えば、Feの一部をCr等で置換するとステンレスとなり耐久性が向上しますし、Al2O3のAlを一部Crに置換されると赤色に変化し宝石ルビーになります。このように一部を置換したものを固溶体と言い、固溶体は多くの材料に用いられています。
私たちはナノシートも固溶体にすることで、性質の制御が可能になると考えて研究を行っています。図の左下はMoS2のMoの一部をWに置換した固溶体です。このような固溶体を合成し、それを剥離することで固溶体ナノシートが合成できます。厚さをナノメートルサイズに薄くする効果と固溶体という二つの変化をうまく利用して高機能材料の開発を目指しています。
上記以外にも新しい無機化合物を合成し、結晶構造や性質の評価・シミュレーションを行い、材料の研究を進めています。
(左上)遷移金属ダイカルコゲナイドMoS2、(右上)MoS2ナノシート、
(左下)Wで置換した固溶体、(右下)固溶体ナノシート
※構造の描写にはVESTA(J. Appl. Crystallogr., 44, 1272-1276 (2011).)を使用
「遷移金属ダイカルコゲナイドのチューニング技術に関する研究」
◆主な業種
(1) 半導体・電子部品・デバイス
(2) セラミクス、ガラス、炭素
(3) 自動車・機器
◆主な職種
(1) 基礎・応用研究、先行開発
(2) 設計・開発
(3) 生産管理・施工管理
◆学んだことはどう生きる?
学部4年間で卒業し、その後2年間の修士課程まで進んだ人の多くは、大手の材料メーカーに就職し、材料開発を行っています。私たちの研究室での研究テーマは、無機化合物の合成、結晶構造解析、特性の評価・解析を一通り行います。このため、研究室での知識と経験を就職先での材料開発に生かせます。
応用化学コースでは、新しい材料の開発、環境を守る新技術、治療薬、バイオテクノロジーなど「化学」を ベースとする様々な研究に挑戦しています。入学試験(前期試験)は、理科の配点が高いのが特徴です。カリキュラムは、化学についての基礎から高度で専門的な科目までをしっかり学べるようになっています。
セラミックス博物館
身の回りで活躍しているセラミックス(無機材料)がたくさん紹介されています。例えば、皆さんが使っているスマートフォンにもいろいろな無機材料が使用されていることがわかります。これらの機器類はさらなる小型化や高性能化が求められていますが、そのためには、無機材料の開発が欠かせません。ここを見て無機材料の研究・開発に少しでも興味を持ってもらえると嬉しいです。
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| Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 化学 |
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| Q2.一番聴いている音楽アーティストは? THE BLUE HEARTS 好きな楽曲は「TRAIN-TRAIN」、「青空」・・・ |
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| Q3.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? 合唱 |

