すごい速さで変化する生命現象を撮影! 可視化技術で4Dの世界を拓く
これまでの光学顕微鏡には限界が
Seeing is believing。みなさんも一度は耳にしたことがある言葉かと思います。
私は、これまでにない光学顕微鏡を作り、目に見えない速さで変化する生命現象を可視化(イメージング)する技術を開発しています。
通常、生体組織などの3次元(3D)空間で起こる現象を撮影するためには、光学顕微鏡の対物レンズの焦点の合う平面を順番にずらしながらスキャン撮影を繰り返す必要があります。しかし、何十枚もスキャン撮影をしてようやく1つの3D空間を撮影できるため、撮影に時間がかかり、3D空間内で時々刻々と変化する生命現象を撮影することはできませんでした。
3D空間をまるごと一発撮影できた!
私はコンピュテーショナル・イメージング技術の1つであるライトフィールド顕微鏡という、たった1回のカメラ撮影で3D空間をまるごと一発撮影する技術の高解像度化技術を開発することに成功しました。
現在、この技術を様々な技術と組み合わせて発展させながら、自由に動く動物の脳神経ネットワークの活動など、これまで見ることのできなかった生命現象の変化過程を可視化し、4D(3D空間+時間)の世界を拓く研究を行っています。
私は元々、構造生物学で博士号を取得しました。構造生物学はX線などを用いて、分子の構造を原子レベルで可視化できるパワフルなツールですが、生命現象の変化過程つまりダイナミクスを捉えるのはなかなか難しいという問題があります。
一方で、今の研究で利用している光イメージングという技術は生き物のダイナミクスを捉えることが可能で、時々刻々と変化する様子は非常にダイナミックで面白いんです。また「最先端の装置や技術を自分で開発できるのってかっこいい!」という憧れもあったことから、いまの研究に至っています。
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「7.生物・バイオ」の「21.分子生物学・細胞生物学・発生生物学、生化学(生理・行動・構造等 基礎生物学も含む)」
◆主な業種
(1) 光学機器
◆主な職種
(1) 基礎・応用研究、先行開発
◆学んだことはどう生きる?
近年の研究開発は1つの技術や分野で解決できることは少なくなっています。当研究室ではそういった状況を踏まえ、ライフサイエンスとエンジニアとしての2つの素養を持つ人材を育成しています。
印象的な卒業生としては学部の時に就活に失敗し、修士から当研究室に進学してきた学生で、当研究室で活躍した後、キヤノン株式会社の研究職に就職しました。異なる分野を両方理解できる人材として、バイオイメージング技術の開発に活かされているようです。
光学顕微鏡でこれまで見えなかったものを見るために、機械学習や深層学習などのAIがどのように使えるのか、考えてみましょう。またそのような研究を調べてみましょう。
Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 情報科学科 |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? スイス |
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Q3.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? 飲食店 |