ボールにどんな回転を与えれば、どんな空気の流れが起きるのか
空気の流れとモノとの力のやりとり
木々のざわめきや水面の揺らめきがどのようにして起こるのかと考えると、風と木々や水面との間で力のやり取りが起こっているのだろうと想像がつきます。しかし、風として吹く空気は無色透明であるため、観察によってどの方向に力のやり取りが起こっているのかを理解することは容易ではありません(煙がたなびくなどしていればある程度はできるかも知れませんが)。
もし時々刻々変化する空気の流れを視覚的に観察して理解できれば、例えば野球やサッカーのボールに応用して、どの方向にどれだけの回転を与えれば、周囲の空気との力のやり取りを経て、ある時には直線を、別のある時には曲線を描くはずだと予想できるでしょう。
回転する球周りの流れを数値シミュレーション
一方、近年のコンピューターは著しく性能が向上しており、物理法則に基づいた数値シミュレーションを行うことによって、上記のような流れを視覚的に観察、理解する方法が以前よりも大きく進んできています。
私は普段は意識しないことも多い風の流れがきちんと物理法則に沿っていることに非常に魅力を感じ、その一例として回転する球周りの流れを対象にした数値シミュレーションを行い、速度の大小に伴う流れの様相の変化や、マグヌス力と呼ばれる特徴的な力の解析を視覚的な観察を含めて行いました。
最近では工業機器の中の流れを対象にして、燃焼反応が起きたり、粒状の粒子が一緒に流れるような状況の解析に取り組んでいます。
「回転球に作用する負のマグヌス力の数値解析」
◆主な業種
(1) 電気・ガス・水道・熱供給業
(2) 通信
(3) 鉄道
◆主な職種
(1) 製造・施工
(2) 技術系企画・調査、コンサルタント
(3) セールスエンジニア・技術営業