関東大震災

吉村昭

1923年におこった関東大震災の予兆から地震の被害、そして災害後の対応について、膨大な資料を参考に記された著作。様々な被害事象の論理的な説明描写から、著者は極めて高い理系の素養をもっていることがわかる。さらに、地震の揺れだけでなく、その後の火災によって多くの方々が亡くなられたその無残さが、無駄のない文章表現により圧倒される。災害後の社会不安についても的確に描かれおり、大災害がもたらす多面的な影響が臨場感をもって読者に迫ってくる。 (文春文庫)

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