Cell Biology by the numbers
Ron Milo & Rob Phillips(Garland Science)
オンラインで無料で読むことができます。英語で書いてありますが、翻訳ツールを使えば内容もわかります。作品名は「数でとらえる細胞生物学」です。
生命科学は覚えることがたくさんで分野外の人には難しいと感じることがあるかもしれませんが、実はそうではありません。この本には生命科学に関する数字がたくさん載っています。この数字があれば、私たちの細胞の中でどんなことが起きているのか、具体的にイメージすることができます。おおざっぱに細胞を理解したいときにとっても役に立ちます。
光学顕微鏡で覗く、個性あふれるバクテリアの泳ぎ
1ミリの1/1000サイズの生命体
バクテリアは、この地球上でもっともたくさん存在する生命体です。
1匹のサイズは1ミリの1/1000ほどしかありません。1人のヒトから1匹のバクテリアを見つけることは、日本列島の中でヒト1人を見つけることに匹敵します。
このような小さな生命体は肉眼では見ることができません。光学顕微鏡という観察装置が必要になります。
1秒間に体長の100倍の距離を泳ぐ
実際にバクテリアを見てみると、1匹1匹が自由自在に動き回っている様子に驚くかもしれません。
ヒトの場合、オリンピック選手であれば1秒間に自身の身長ほどの距離を泳ぐことができます。一方、バクテリアの場合、その距離は自分の体長の10倍ほど、もっとも速いものだと数百倍にも達します。
スパイダーマン!?キャタピラ!?
では、バクテリアはどのように泳ぐのでしょうか?私たちヒトのような手足を持たないため、泳ぎ方も全く異なります。
例えば、あるものはべん毛という繊維をスクリューのように毎秒100 回ほど高速回転させることで推進力を発生します。また、別のものはスパイダーマンのように細い糸を伸縮させることで移動します。中には、自分の体の表面をキャタピラのようにぐるぐると回転させて移動するものもいます。
私は顕微鏡にちょっと工夫をすることで、この動態を可視化することに日々挑戦しています。
生命科学において、もっとも重要な問いかけは「生命とは何か?」です。私は、このような動きの中に生きものらしさを感じずにはいられません。小さな生命体が、なぜ・どのように動くのか調べることで、生命の秘密を解き明かすことができます。
大学生の頃は不真面目だったので、よく授業をサボっていました。今となっては、もっと真面目にやっておけば良かったと思います。もちろん、私のような成績が悪い学生は、人気の研究室に配属することは困難になります。仕方がないので、あんまり人気のない研究室に配属することに決めました。それがバクテリアの研究室でした。偶然の出会いは大事です。
「バクテリア生体運動の高精度分子イメージングの研究」
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「7.生物・バイオ」の「21.分子生物学・細胞生物学・発生生物学、生化学(生理・行動・構造等 基礎生物学も含む)」
◆主な業種
(1) 光学機器
(2) 食品・食料品・飲料品
(3) 大学・短大・高専等、教育機関・研究機関
◆主な職種
(1) 基礎・応用研究、先行開発
(2) 生産管理・施工管理
(3) 製造・施工
高校までは物理・化学・生物というように科目で分けて学んできたかと思います。けれど、大学からは分野はごちゃまぜです。私の学部には、機械システムや電気工学、光工学、物理工学だけでなく、化学生命工学の学科もあります。高校までは物理を学んできた人が、大学に入って生命科学の研究をはじめることも多いです。一緒に新しい研究分野を開拓してみませんか。
スマホのカメラの上に半球レンズを置いてみましょう。防水性のスマホなら小さな水滴でも構いません。そこに指を近づけてみてください。指紋が綺麗に見えると思います。これが「スマホ顕微鏡」です。身の回りのものを顕微鏡で観察してみましょう。
このような簡易な顕微鏡で微生物を見ることも可能です。1滴の池の水の中には、たくさんの小さな生き物が自由自在に動きまわっています。
Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? やっぱり生命科学を学びたいです。今度は真面目に。 |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? アメリカ・ドイツ。ビールがたくさんありそうだから。 |
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Q3.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? こどもと一緒に遊ぶこと。 |
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Q4.好きな言葉は? 飲み放題 |