常識を覆す!金属3Dプリンタで、強いアルミニウムができた
1秒間に10万度以上の速度で固まる
金属3Dプリンタを利用し、金属のかたちだけでなく機能も自在に操ることに挑戦しています。
3Dプリンタ(積層造形もしくは付加製造とも呼ばれます)技術のひとつである金属粉末を用いたレーザ粉末床溶融結合(Laser Powder Bed Fusion: L-PBF)法では、普通の製造法で造れない複雑なかたちの金属部品を造ることができます。レーザを用いた3Dプリンタで製造された金属造形体は、とても速い速度(1秒間に10万度以上)で液体から固体に変化する過程を通して造られます。
非平衡状態により物性が変わる
私たちの研究は、金属造形体がこれまでにない非平衡状態であることに注目しました。この金属3Dプリンタによる非平衡状態の創出は、私たちの身の回りにありふれたアルミニウム(Al)の性能を飛躍的に向上させるだけでなく、これまでの常識とは異なる物性を生み出します。
アルミニウム+鉄は脆くなるはずだが
これまで、最も一般的な金属元素である鉄(Fe)を含むAlの金属3Dプリンタに関する研究を世界に先駆けて進めてきました。一般に、AlへのFe元素の添加は素材を脆くし、大気中での劣化を促進するため避けられています。そのため、自動車業界など多くの技術者から「何を目的に研究しているの?」と言われてきました。
しかしFeを含んだAlの3Dプリンタ造形体は、普通の製造法で生成しない微細な準安定相を持ち、特に200℃以上の高温における強さを飛躍的に向上させることを明らかにしました。このような常識と異なる発見に着想を得て、Alにとって有害と信じられてきたFe等の遷移金属元素の組み合わせを利用し、3Dプリンタの特性を最大限に活かす新たな材料の設計を目指します。
◆主な業種
(1) 自動車・機器
(2) 鉄鋼
(3) 重電系
◆主な職種
(1) 設計・開発
(2) 生産技術(プラント系以外)
(3) 基礎・応用研究、先行開発
◆学んだことはどう生きる?
マテリアル工学科で身につけた専門性は、素材や化学の産業に貢献するだけでなく、将来の選択肢を大きく広げます。社会では、機械、自動車、重工業、電気・電子機器、医療、食品、資源、エネルギーまで、ありとあらゆる分野でマテリアルのプロフェッショナルが要求されています。
マテリアル工学の特徴は、幅広い将来の選択肢だけでなく、日本の産業を支えている基幹産業との連携です。多くの先輩方は、専門性だけでなく工学的合理性と信念を育み、様々な分野の産業界にて大活躍しています。
マテリアル工学科では、材料工学から化学工学まで幅広い学問を学び、マテリアルを様々な観点から俯瞰できる能力が習得できます。マテリアル工学科の研究は、物質の原理原則に基づいたものづくりを目指しています。
最先端計測技術を用いた物質・材料の原理探索などの理学に近い研究分野から、人工知能や理論計算を用いた材料設計といった情報工学を取り込んだ研究、世の中に広く使用される材料の製造プロセスの開発などの実用に近い研究まで、研究分野は大きな多様性を持ちます。そのため、好みに合う専門を見つけやすく、従来の学問体系に囚われない将来像を描くことができます。
(1)元素の多くは金属元素です。様々な金属の構造や性質(原子量、密度、原子半径、結晶構造、電子配置、物質の状態、原子発光スペクトルなど)について調べてみましょう。それらの類似性と相違性を周期律表に基づいて整理してみましょう。
(2)3Dプリンタは、国際規格で7種類の方法に分類されています。それぞれの方法の特徴(長所と短所)を調べ、どの方法が金属に適用可能か考えてみましょう。
Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 経済学 |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? アメリカ 自由な雰囲気が好き |
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Q3.一番聴いている音楽アーティストは? Bring Me the Horizon『medicine』 |
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Q4.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? 野球場でのビール売り |