出会いの一冊
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植物には「気持ち」がある! ガス状物質を放ち情報を送る植物たち
植物たちの想いを感じ取る仕事
皆さんは、植物には「気持ち」があると思いますか? もしあるとしたら、それをどうやって表現すると思いますか? 私は今、植物が放出するガス状の物質をリアルタイムに計測して、「植物たちがその瞬間、何を想って、どうしたいのか?」を感じ取るお仕事をしています。
「虫がいるよ!気をつけて!」
一度大地に根を張ると自力では動けない植物は、置かれた環境で生き抜く様々な能力を発達させてきました、その一つに「アレロパシー」があります。アレロパシーとは、植物の体内から放出されるガス状の物質を利用して、近隣の植物や昆虫などに情報を送る現象のことです。
例えば、葉っぱが虫に喰われると、その喰われた部分から「虫がいるよ!気をつけて!」という信号として、特殊なガス状物質を出します。この信号が近くの植物に届くと、その植物は虫に対して防御体制を取るようになります。また喰われた部分からは「この虫をやっつけて!」という信号も出され、虫の天敵を呼んだりもします。
質量分析法で微量な物質を分析
このように、植物たちは様々なガス状物質を放出することで、近隣の生物に気持ちを伝えているのですが、わかっていないことが多くあります。私は現在、「質量分析法(Mass Spectrometry; MS)」という微量な物質を測定できる手法を使って、「植物がどういう状況の時に、どのような物質を出すのか? その物質を出すことによって何が起こるのか?」ということを研究しています。
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