環境動態解析

植物の情報伝達

植物には「気持ち」がある! ガス状物質を放ち情報を送る植物たち


関本奏子先生

横浜市立大学 理学部 理学科(生命ナノシステム科学研究科)

出会いの一冊

香君

上橋菜穂子(文藝春秋)

主人公である「香りで万象を知る活神」が、植物の香りを感じ取って世界を救う壮大なファンタジーです。植物がどんなことを想っているのか、とてもイメージしやすい物語です。私はまさに主人公のような「香りで自然現象を知る」ことのできる計測装置を開発して、それを植物研究に応用しています。

こんな研究で世界を変えよう!

植物には「気持ち」がある! ガス状物質を放ち情報を送る植物たち

植物たちの想いを感じ取る仕事

皆さんは、植物には「気持ち」があると思いますか? もしあるとしたら、それをどうやって表現すると思いますか? 私は今、植物が放出するガス状の物質をリアルタイムに計測して、「植物たちがその瞬間、何を想って、どうしたいのか?」を感じ取るお仕事をしています。

「虫がいるよ!気をつけて!」

一度大地に根を張ると自力では動けない植物は、置かれた環境で生き抜く様々な能力を発達させてきました、その一つに「アレロパシー」があります。アレロパシーとは、植物の体内から放出されるガス状の物質を利用して、近隣の植物や昆虫などに情報を送る現象のことです。

例えば、葉っぱが虫に喰われると、その喰われた部分から「虫がいるよ!気をつけて!」という信号として、特殊なガス状物質を出します。この信号が近くの植物に届くと、その植物は虫に対して防御体制を取るようになります。また喰われた部分からは「この虫をやっつけて!」という信号も出され、虫の天敵を呼んだりもします。

質量分析法で微量な物質を分析

このように、植物たちは様々なガス状物質を放出することで、近隣の生物に気持ちを伝えているのですが、わかっていないことが多くあります。私は現在、「質量分析法(Mass Spectrometry; MS)」という微量な物質を測定できる手法を使って、「植物がどういう状況の時に、どのような物質を出すのか? その物質を出すことによって何が起こるのか?」ということを研究しています。

植物の気持ち(植物から放出されるガス状物質)を計測する質量分析計(1)
植物の気持ち(植物から放出されるガス状物質)を計測する質量分析計(1)
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「生態系内における多成分揮発性植物分子の時空間イメージング」

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植物の気持ち(植物から放出されるガス状物質)を計測する質量分析計(2)
植物の気持ち(植物から放出されるガス状物質)を計測する質量分析計(2)
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