火星の天気予報と水環境マップの作成に挑む

ジェット風や砂嵐が襲う惑星の気象
日々の天気予報に欠かせない「気象学」を地球以外の惑星・衛星にも適用して取り組む学問が「惑星気象学」です。
地球以外の惑星・衛星の気象は地球の常識とはかけ離れたものも存在し、代表的なものでは金星のスーパーローテーション(全球を覆う高速のジェット風)、火星の全球を覆う砂嵐やドライアイスの降雪、タイタンのメタンの雨といったものが挙げられ、最近では太陽系外惑星にもその研究の目は向けられています。
火星の気象は「砂」が支配
中でも火星は今後有人探査が見込まれ、人類の新しい活動圏となることも視野に入るため、安全な活動のためにもその気象を地球と同じように予報することが重要になってきます。
雲や降水を生み出す「水」が地球の気象を支配するのに対し、火星の気象を支配するのは「砂」です。火星の砂嵐は大小様々なスケールで発生し、数年に1度全球を覆う規模に発達した時は数十日間にわたり地表に日光が十分に届かず、それで壊れた火星探査機もあります。
火星探査や生命の存在研究の手掛かりに
私は全球から局所気象までをカバーする大気モデル群、NASA等の火星探査機が取得し公開する観測データ、また機械学習などを駆使して、火星における砂嵐の予報に挑戦しています。
合わせて有人探査においては水の確保がエネルギー源や生命維持に重要になってくることから、モデルと観測データを用いた火星の大気・表層・地下の水環境マップの構築にも取り組んでいます。
これは今後の探査の指針になるのみならず、過去や現在の火星に生命が存在した(する)かどうかを知る手掛かりとなります。

出典:Kuroda et al. (2015), A global view of gravity waves in the Martian atmosphere inferred from a high-resolution general circulation model. Geophysical Research Letters 42, 9213–9222, https://doi.org/10.1002/2015GL066332 .

フランスの研究チームが公開するMars Climate Database ( https://www-mars.lmd.jussieu.fr/mcd_python/ )を使って、火星地表面の大気温度や気圧がどのような値をとるかを調べ、地球と比べてみましょう。
また最高気温・最低気温が季節や場所(北極・赤道・南極・山の上など)でどのように変わるかを調べてみましょう。
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Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 数学・計算機科学:AIについてもっとよく理解したいので。 |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? ドイツ。7年ほど住んでいましたが、ビールとそれに合う食事が美味しいです。 |
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Q3.学生時代に/最近、熱中したゲームは? 実況パワフルプロ野球。監督になりきってチームを育てるのが好きです。 |
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Q4.大学時代の部活・サークルは? 合唱やバンド(主にドラム担当)をやっていました。 |
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Q5.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? クイズが好きで、雑学や謎解きに興味があります。「99人の壁」というクイズ番組にジャンル「火星」で出場しました。 |