教育学

健康診断

子どもの健康を守る学校の健康診断を、発展途上国でも


友川幸先生

信州大学 教育学部 学校教育教員養成課程 保健体育コース(総合人文社会科学研究科 総合人文社会科学専攻)

出会いの一冊

アヘンさよなら、学校こんにちは 世界で最も多量にクラスター爆弾が残る国・ラオス

沢田誠二(晃洋書房)

東南アジアの小さな国、ラオスの子どもたちの日常の様子、子どもたちがさらされている健康の問題について知るのに良い本です。

こんな研究で世界を変えよう!

子どもの健康を守る学校の健康診断を、発展途上国でも

世界300万人の子どもが栄養失調で亡くなる

「学校での健康診断は、子どもたちの健康を守る第一歩」。現在、世界では年間300万人以上の子どもが栄養失調で命を落としており、9300万の特別な支援を必要とする子どもがいます。また、東南アジアでは、毎年8万5千人が、予防や治療が可能な生活習慣病が原因で命を落としています。このような健康問題をどうすれば解決できるでしょうか。

先進国では、入学前の健康診断も充実

日本や多くの先進国では、小学校に入学するまでに、いろいろな場所で健康診断を受けています。またその際に、異常が見つかれば、必要な支援を受ける仕組みがあります。健康診断を行い、子どもたちの発育や発達の状態を検査することで、発育発達の遅延、肥満や栄養失調を早期発見し、課題や障害に応じた支援を提供することができます。

また、将来、生活習慣病等のリスクを下げることもできます。子どもたちがよりよく育つことで、しっかりと学んでいくための土台ができます。

現地の人たちと健康診断を普及させたい

しかし、このような健康診断は、開発途上国では、十分に実施されておらず、その制度・方法や実態も明らかにされていません。日本とは、文化も教育制度も異なる国々で、どのような仕組みを作っていけばよいのでしょうか。

この疑問を解明するために、我々は、開発途上国での「健康診断」に関する情報を収集していきます。また、良い健康診断の方法を現地の人たちと一緒に考え、実践していきます。学校での健康診断の普及は、小さな一歩ですが、「子どもたちの健康を守る第一歩」なのです。

ラオスの小学校で手洗い指導をしたときの一枚
ラオスの小学校で手洗い指導をしたときの一枚
SDGsに貢献! 〜2030年の地球のために

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現在、世界ではたくさんの子どもが栄養失調や肥満の問題を抱えています。これらの問題の解決の一方策として、学校での定期的な健康診断の活動の推進が期待されています。

人的・経済的資源の乏しい開発途上国でも実施可能な健康診断を開発し、子どもたちの発育や発達の状態を検査することで、発育発達の遅延、肥満や栄養失調を早期発見し、課題や障害に応じた支援を提供することができます。また、将来、生活習慣病等のリスクを下げることもできます。子どもたちがよりよく育つことで、しっかりと学んでいくための土台ができます。

◆先生が心がけていることは?

節電、節水

先生の専門テーマ<科研費のテーマ>を覗いてみると

「ケイパビリティ(潜在能力)の保障のためのアジアの就学前児の発育発達評価方法の開発」

詳しくはこちら

どこで学べる?
先生のゼミでは

自分が実現したいことを書き上げる、ドリームアクションプランを作成しています。将来に向けて自分が何をしたいのか、そのために自分がやるべきことは何かを考えることで、その実現の一歩に近づくのではないかと思います。また、夏と春にスタディツアーを企画し、海外に出ることをお勧めしています。

もっと先生の研究・研究室を見てみよう
先輩にはこんな人がいる ~就職

◆主な業職種

(1) 学校教員

(2) 研究職

(3) 消防・警察などにおける公務員

◆学んだことはどう生きる?

私の研究室の卒業生は、在学中に学んだ健康や環境に関する知識を生かして、国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊として、開発途上国で教員養成の学校の先生たちと一緒に子どもたちに健康教育、環境教育を教える仕事をしています。

 

現地では、学校の先生に対する研修を企画したり、健康や環境について指導するための教育教材の開発をしたりしています。また、大学院に進学して、開発途上国の子どもたちの健康や環境の問題を改善するための専門的な勉強を続けている人もいます。

先生の学部・学科は?

教育学部では、将来の子どもたちの学びを支える教師を養成します。信州大学の保健体育の教員養成コースでは、子どもたちが運動に親しみ、健康や安全に留意し、充実した学校生活、そしてその後の人生を過ごしていけるような教育が提供できる教師の養成を目指しています。本学では特に、学校教育現場での実践、実習の機会が多く盛り込まれており、4年間の学生生活の中で、子どもたちとともに学んでいけるようなカリキュラムとなっています。

中高生におすすめ

ハチドリのひとしずく いま、私にできること

辻信一(光文社)

国際協力を考える上で、今、自分ができることは何か、その意味は何かを考えるきっかけとなる本になるかと思います。


センス・オブ・ワンダー

レイチェル・L・カーソン、訳:上遠恵子(新潮社)

大人になると失われてしまう大切な感性を思い出し、また、ふっと散歩に出かけたくなるような本です。


世界がもし100人の村だったら

池田香代子、訳:ダグラス・ラミス(マガジンハウス)

私たちが今、生きている世界は、世界の常識から見ると、決して当たり前ではありません。世界に目を向けると、私たちが当たり前に学校で受けている教育や、病院で受ける医療サービスを受けられない人がたくさんいます。地球上でともに生きる人間、動物、植物、すべてのものがともに幸せに生きていくために、限られた資源をともに分かち合って生きていくことが求められています。

今、世界で何が起こっているのかを知りましょう。同じ地球に住む人々の中にある教育、健康、経済の格差を知って、これから自分がどう生きていくのかを考えるきっかけとしてほしいと思います。


先生に一問一答
Q1.18歳に戻って大学に入るなら何を学ぶ?

医学部

Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? 

ラオス。自然がたくさんあるからです。

Q3.大学時代の部活・サークルは?

バスケットボール

Q4.大学時代のアルバイトでユニークだったものは?

パン屋

Q5.会ってみたい有名人は?

坂本龍馬


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