英仏間の百年戦争終結の定説に挑む
1453年、英軍の撤退で終わったとの定説
「百年戦争」という出来事を知っていますか。ジャンヌ・ダルクが登場する戦争です。高校世界史の教科書にも必ず記載され、1337年~1453年に英仏間で行われました。直後にイギリスで起きた「バラ戦争」とよく間違われますが、百年戦争では仏王家の紋章である「ユリの花」が争われました。
歴史研究は長い間、なぜこんなに長い戦争が始まったのかという起源の問題を議論してきました。しかし、戦争がどのように終わったのかについては、未解明なままです。
高校世界史では1453年、英軍が北仏の港町・カレーを除いて撤退したためと学びます。この考え方は欧米でも定説です。しかし、この学説は1453年以来、英仏間では海外植民地を除いて領土の変更が起こらなかったことから生まれた後知恵にすぎません。
英はバラ戦争、仏王はハプスブルク家と覇権争いへ
当時の人々は、戦争が終わったとは考えていませんでした。英側はフランスに進攻し続けましたが、自国で王位継承争であるバラ戦争が起こり、余力がなくなります。
仏王は、まだカレーに英領が残っているにもかかわらず、勝利宣言を発し、今度はハプスブルク家と大陸での覇権を争います。仏王の臣下たちは諸外国との戦争よりも、自分の領地が王につぶされまいと奔走し始めました。
百年戦争が終結していなければ、イギリスもフランスもスペインも新大陸に進出することはできませんでした。百年戦争終結の問題は、西ヨーロッパ世界がどのように近代を迎えたかという、大きな問題を解く鍵でもあるのです。
「フランス・アンジュー地方から見た百年戦争終結についての研究」
◆講義「西洋史概論」では
現在、欧州統合(EU)が進みながらも、本当に重要なこと(最近では移民問題や新型コロナウィルス)への対処は、EUではなく、個々の国家に委ねられています。中世ヨーロッパで誕生した国家という枠組の生命力は強く、その起源を解明する必要がある、ということを話しています。
◆『百年戦争』/佐藤猛インタビュー(web中公新書)
◆主な業種
(1) 小・中学校、高等学校、専修学校・各種学校等
(2) 官庁、自治体、公的法人、国際機関等
(3) 金融・保険・証券・ファイナンシャル
◆主な職種
(1) 中学校・高校教員など
(2) 総務
(3) 一般・営業事務
教育文化学部地域文化学科における「地域」とは、地元の地域社会とともに諸外国を含む、広い範囲を指します。そうした「地域」への貢献をキーワードとして、国際文化コースでは文学・歴史・思想という人文諸学問を通じて、「地域」の文化や魅力を世界に向けて発信する知識・思考力・技術を身につけることを目指します。その実現のため、様々な外国語修得プログラムが用意されています。
Q1.18歳に戻って大学に入るなら何を学ぶ? 医学。人間の現在と未来に直接関わるため。その意味では、歴史学と対極か。 |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? ボリビアやネパールなどの高地。いわゆる「先進国」でない方が、感じ、学ぶことが多いかもしれない。 |
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Q3.感動した映画は?印象に残っている映画は? 『レ・ミゼラブル』。国家が個人の人生をどう翻弄したかが描かれている。 |
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Q4.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? 畑の肥料撒き |
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Q5.研究以外で楽しいことは? カラオケ(特に一人カラオケ) |