家庭こそ発生源!食品ロス減少に向けた家庭科教育
2030年までに食品ロス半減
今私たちは、SDGsが掲げる17のゴールの一つ、2030年までの食品ロス半減に向けて努力しています。持続可能な社会を作るための理論は学校で学ぶのですが、「わかってはいるが行動に移せない」という意識と行動の乖離があるのも事実です。
そこで環境配慮行動の意思決定メカニズムを社会心理学の観点から考察し、食品ロス削減に向けて行動してもらう人が増えるような授業(消費者市民教育カリキュラム)作りに取り組んでいます。
コンビニや外食産業じゃない
気候変動による自然災害など様々な環境問題が深刻化していますが、その原因の一つは日本を含めた先進国の大量消費型ライフスタイルによる環境負荷です。現在、日本の食品ロスは年間612万トン。コンビニやファーストフードでの大量廃棄や外食産業での食べ残しに注目が集まりがちですが、実は最大の発生源は家庭なのです(農林水産省2017)。
調理実習を新たな学習に
意識と行動の乖離を超えて家庭での廃棄を削減させるには、家庭科教育の調理実習を単なる技能教育にとどめず、認知と技能を往還させて育成する問題解決型の学習方法として新たに捉え直す必要があると考えています。
国内外の文献調査、環境教育の先進国である北欧の小・中・高等学校の現地視察等を行い、日本の教育への効果的な取り入れ方を模索しています。
SDGsの目標として数値目標が掲げられている「食品ロス量半減」を目指して研究しています。まずは、家庭内の食品ロス削減行動を促進させる戦略を様々な角度から構築中です。
現在、野菜くずがでない調理、例えば今まで捨てていた野菜の皮や芯があるからこそ、美味しく作れるような料理を考案して、エコレシピ集を作っています。
「消費者市民を育む高校家庭科調理実習カリキュラムの開発:食品ロスに着目して」
◆「調理学研究」のゼミ開きでは
例えば、調理実習で味噌の分量を示されてみそ汁を作る子どもと、示されずに味見をしながら味噌をつぎ足してみそ汁を完成させる子どもでは、どちらが家でみそ汁を作ると思いますか。その差は驚くほど歴然で、後者の方法の教え方で学んだ子どもたちなのです。このことからわかるように、授業は、わかりやすく教えるのではなく、考えて行動することを教えなくてはなりません。この実践は、日本ではまだあまり浸透していないのですが、北欧では標準的に実践されているので、海外の教授法の映像を見る会を行っています。
◆Facebook:https://www.facebook.com/emiko.ishijima
◆主な業種
(1) 小・中学校、高等学校、専修学校・各種学校等
(2) 大学・短大・高専等、教育機関・研究機関
(3) 官庁、自治体、公的法人、国際機関等
◆主な職種
(1) 小学校教員
(2) 中学校・高校教員など
(3) その他教育機関の教員、インストラクター
◆学んだことはどう生きる?
小学校・中学校・高等学校の教育現場で活躍している卒業生が数多くいます。若手教員として活躍している人、優秀教員に選ばれて文部科学大臣賞を受賞した人や教育委員会で教育行政に携わっている人もいます。ゼミ活動で、教育効果の高い授業実験の研究をしたことをベースに、子どもたちがワクワクする授業を実践して、子どもたちから慕われています。
教育学部では、教員になるための資質を身につけるだけでなく、現代社会で人と接する資質を身につけることが出来ます。卒業時には、人間性が高まる学生が非常に多いです。
調理学研究ゼミでは、持続可能な食生活を営むことに関連する研究がテーマで、食品ロスなどの「食生活と環境」や郷土料理などの「生活文化」、効果的な授業デザインの実験などを行っています。フィールドワークを中心に、地域の方との関わりを大切にしてゼミ活動を行っています。
Q1.18歳に戻って大学に入るなら何を学ぶ? 医学。命を救う力を持つことは素晴らしいと思います。 |
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Q2.一番聴いている音楽アーティストは? スピッツ。特に、『空も飛べるはず』。 |
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Q3.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? ディズニーランドのキャストを4年間しました。「笑顔の大切さ」「相手の立場で考えること」「一緒に働く仲間を大切にすること」そして「おもてなしの心」など、社会人となる際に自分に足りない大切なことを学びました。 |