環境政策・環境社会システム

経済学と工学の手法で、気候変動が経済活動に及ぼす影響を評価:環境経済モデルの開発


中嶌一憲 先生

兵庫県立大学 環境人間学部 環境人間学科 社会デザイン系/環境人間学研究科 環境人間学専攻

どんなことを研究していますか?

大きな気候変動が起こった場合、どんな種類の被害が生じ、それによりどこの国(地域)の、どの産業部門に、どのような経済的影響があるのか。私たちは気候変動による経済的影響を、様々な視点から評価する環境経済モデルを開発しました。

この研究によって、水関連災害、砂浜・干潟、森林生態系、健康など、気候変動による影響の種類別に経済的被害を推定できるようになります。また、国別(都道府県別)、産業部門別に被害を推定できます。

それだけでなく、例えば温室効果ガスの排出の緩和策を提案したり、気候変動に対する適応策の長期的効果を明らかにしたり、その帰着した先はどうなるのかを見通したりすることができるようになります。

国・自治体の政策立案に役立てる

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私たちの周りの様々な環境問題と、経済活動は無関係ではありません。環境問題を解決し、環境保全と経済成長を両立するためには、政策のあり方やその評価、環境の経済的価値について考えていく必要があります。環境政策・環境社会システムという学問分野はそれに応えるためのものです。

私たちの築いた経済モデルは、金銭的な評価の困難な気候変動の影響の項目を、環境経済学的手法を用いて評価することによって、国や地方自治体の政策立案に役立てることができます。

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研究室での学生発表の様子

学生はどんなところに就職?

一般的な傾向は?
  • ●主な業種は→公務員
分野はどう活かされる?

統計学のような定量的な分析手法を活用しています。

興味がわいたら~先生おすすめ本

入門 環境経済学 環境問題解決へのアプローチ

日引聡、有村俊秀

経済学的な考え方を高校生でも理解できるように簡単に紹介している本。環境問題を経済学的な観点から考えるきっかけになるだろう。理論だけでなく、途中に書かれたコラムでは身近な問題を分かりやすく解説してくれる。 (中公新書)


本コーナーは、中高生と、大学での学問・研究活動との間の橋渡しになれるよう、経済産業省の大学・産学連携、および内閣府/科学技術・イノベーション推進事務局の調査事業の成果を利用し、学校法人河合塾により、企画・制作・運営されています。

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