生き物って、いのちを守るって

選んでいただいたフィールドの本はこちら。さあ、もっとみてみよう。

しあわせの理由

グレッグ・イーガン

神経伝達物質とヒトの行動研究に基づいて描かれた、印象的なSF短編だ。神経伝達物質は、脳神経のニューロンで生産され、さまざまな人間の情動的な反応を左右する脳内化学物質のこと。ほかにも9篇を収録。著者はオーストラリアの小説家。科学性の極めて強いハードSFの代表的作家で、ナノテクノロジー、量子論、認知科学、宇宙論、数学等、広範囲な分野を題材としたSF作品を発表している。 (ハヤカワ文庫)



マンガでわかるホルモンの働き 性別までを左右する不思議な物質の正体とは?

野口哲典

ホルモンとは、微量にもかかわらず生体における代謝、神経伝達、発生、分化などのあらゆる生体活動の調節機構に密接に関与する一群の物質のこと。中でもその生物自体の器官または組織でつくられるものをいう。この本はヒトが生きて行く上で不可欠な情報伝達物質であるホルモンの働きを、マンガでわかりやすく解説する。 (サイエンス・アイ新書)



薬学系

世界を変えた薬

佐藤健太郎

著者や医薬品メーカーや大学研究職などを経たサイエンスライター。薬も毒も多くは化学物質であるが、その化学物質と人類との関わりを、世界史の中で面白く解説している。医薬品の持つ力をあらためて考えさせられる一冊。 (現代新書)



医療・健康系

痴呆を生きるということ

小澤勲

「認知症」という呼び名になる前の旧名称の書籍ではあるが、認知症を有する当事者が生きる世界を、介護老人保健施設など現場に最も近い立場の著者が解説した、認知症ケア必読の書。認知症当事者の精神世界に光を当て、関わる家族や介護者の大きな支えとなった本。 (岩波新書)



生物・バイオ系

人類大移動 アフリカからイースター島へ

印東道子:編

アフリカで誕生したヒトが世界中に拡散する過程をわかりやすく解説する。人類の地球規模の移動をテーマに、形態学、遺伝学、霊長類学、古環境学、言語学、考古学、古地理学、民族学など12人の研究者がそれぞれの専門分野から、2012年刊行時点での当時の最新の研究を紹介している。人類学はいろいろなアプローチ方法・分野があるが、この本は、自分の興味がどの分野にあるのかを見つけるのに適した書だ。ひとつの仮説だけを紹介するのではなく、別の仮説がある場合にはそれも紹介している。これは科学の客観性を示している点で、良い書籍だといえる。 (朝日選書)



つきあい方の科学 バクテリアから国際関係まで

R.アクセルロッド

表題の「国際関係」とは人間の経済活動を、「バクテリア」とは生物の行動を象徴的に言い表している。この本は、生物間の行動から社会学的な経済活動まで利害対立を含めた行動原理を、ゲーム理論を用いて解明しようとする。ゲーム理論はアメリカの数学者、フォン・ノイマンが開発し、経済学の分野で発展してきたものだが、生物学においても積極的に利用され、 進化ゲーム理論として発展してきたという背景がある。著者は政治学者だが、この本は、ゲーム理論を生物の個体間や国家間の相互作用のあり方に応用したもので名著と言える。 (松田裕之:訳/ミネルヴァ書房)



生物・バイオ系

生きもの上陸大作戦 絶滅と進化の5億年

中村桂子、板橋涼子

今日の地上の緑豊かな自然、そこには植物、動物、微生物など多様な生物が環境に適応し、豊かな生態系をつくって暮らしている。しかし、これは地球の46億年の歴史のなかでずっとあったものではない。いまから5億年前、不毛の大地に植物、昆虫そして脊椎動物の上陸作戦が開始されたことでできあがったものなのだ。上陸した生きものは体の形態・構造を環境に合わせて変える一方、環境も変えてきた。この本は、このときの適応と進化の一大イベントを、DNA、生物形態、化石研究などの最新の成果からいきいきと描いている。学問的には環境に適応した形態進化とその遺伝子レベルでのしくみを扱う基礎生物学の中の「形態・構造」学に相当する。 (PHPサイエンス・ワールド新書)



基礎医学系・先端医療バイオ系

がん遺伝子の発見 がん解明の同時代史

黒木登志夫

すべての細胞の中には『がん遺伝子』と呼ばれる遺伝子が存在する。この遺伝子は名前のとおり『がん』に関係し、過剰に活性化されるとがんになる。では細胞はがんになるための遺伝子をもっているということなのかというと、そうではない。通常はこれらの『がん遺伝子』も、正常に生きていいくための重要な活動を担っている。細胞分裂の異常など、遺伝子が異常になって初めてこの『がん遺伝子』は細胞をがん化させるのだ。本書は、このような『がん遺伝子』の発見の経緯からがんを引き起こすしくみについて、簡単にわかりやすく解説している。 (中公新書)



有機化学美術館へようこそ 分子の世界の造形とドラマ

佐藤健太郎

医薬品や機能性分子を作り出す難しさと共に、その有用性や可能性、魅力等が分かりやすく紹介されている。決して肉眼では見ることのできない分子にも、我々と同じように様々な形や個性・性質が存在する。そして、目に見えないその分子の集合体が、日々の日常的な物理現状を作り出す。それらは、時に世界的影響力を及ぼす可能性があることを、是非知っていただきたい。 (技術評論社)



バイオ工学系

高校生からのバイオ科学の最前線

生化学若い研究者の会:著

教科書だけでは物足りない、生物分野を目指す学生に向けて、iPS細胞などを含む最新バイオ科学を分かりやすく解説している。コラムなども豊富で、若手研究者ならではの視点で研究や最新技術との付き合い方を説く。 (石浦章一:監、片桐友ニ:編/日本評論社)



基礎医学系・先端医療バイオ系

脳を極める 脳研究最前線

立花隆

内容は20年前のものではあるが、日本の脳研究を牽引してきた研究者と、脳研究の基本が幅広く紹介されている。図解も多く、高校生や初心者向けの入門書として適している。 (朝日新聞出版)



生物・バイオ系

細胞が自分を食べる オートファジーの謎

水島昇

2016年ノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典先生のテーマが「オートファジーの仕組みの解明」。その「オートファジー」研究について、平易に解説している。オートファジーは、体内細胞の中で分解しては新しく合成するといった、いわば掃除や中身の入れ替え、リサイクルの働きである。あらゆる病気や感染、免疫などの研究にあたり現在最も注目されるオートファジーについて詳しく知ることができる。 (PHPサイエンス・ワールド新書)



生物・バイオ系

まねが育むヒトの心

明和政子

この本は、ヒトの心がどのようにして成立してきたか、その進化の過程をヒト、チンパンジー、サルと比較。最近の研究トレンドである「共感」の重要性について説明している。著者の京大霊長類研究所時代の恩師は、松沢哲郎博士。チンパンジーに言葉を教える「アイ・プロジェクト」で有名な動物心理学者・霊長類学者だ。同研究所を経た著者は、ヒトの心だけでなくチンパンジーの心も対象にする比較認知発達科学という新分野を開拓。自らの妊娠・出産・育児体験を踏まえ、赤ちゃんが見せる「まね」を観察し、ヒトらしい心の発達の条件を科学的な解明に挑んでいる。

(岩波ジュニア新書)



生物・バイオ系

見た目の若さは、腸年齢で決まる

辨野義己

乳酸菌による腸内フローラ制御といった基礎的研究内容から、健康にもたらす実際の影響を幅広く解説している。大腸がん、花粉症、アレルギーなどと腸内環境の関係を探り、病気の治療から予防に至るまでの活用について解説する。 (PHPサイエンス・ワールド新書)



生物・バイオ系

生き物をめぐる4つの「なぜ」

長谷川真理子

ノーベル医学生理学賞を受賞した動物行動学者、ニコ・ティンバーゲンの説いた「生物学の4つのなぜ」というものに基づいて、オスメスの違い、鳥のさえずりなど生物の持つ不思議な特徴について解説している。4つのなぜは生物を理解するための基礎となる問いかけだから面白いし重要だ。著者は動物行動学者で、一般の人のためのいろいろな啓蒙書を書いている。 (集英社新書)



基礎医学系・先端医療バイオ系

単純な脳、複雑な「私」

池谷裕二

著者が20年前に卒業した母校で、後輩の高校生たちに「最先端の脳科学」を紹介した講義録。脳科学における様々な実験結果を紹介しながら、「心」がどのようにして生まれるのかを説く。わかりやすく愉快な語り口も含め、脳神経科学の入門書として秀逸だ。 (ブルーバックス)



バイオ工学系

カラー図解 EURO版 バイオテクノロジーの教科書

ラインハート・レンネバーグ

バイオテクノロジー(生命工学)の基礎から、食品・環境・医療・産業分野での応用、そして新技術について、概要を分かりやすく書いている。ユーロ圏や米国の大学で用いられている教科書の邦訳。高校生にとって必ずしも分かりやすい内容ではないかもしれないが、古くから行われている発酵から近年の遺伝子組み換え技術、タンパク質工学などの具体例も紹介されており、バイオテクノロジーに興味がある高校生がこの分野の概要を学ぶには良い教科書だ。 (小林達彦:監、田中暉夫、奥原正國:訳/ブルーバックス)



生物・バイオ系

苔の話 小さな植物の知られざる生態

秋山弘之

コケ植物は植物が進化する過程で水中から陸上に最初に上陸し、その後今日まで適応してきた植物群だ。この本は、知っていうようで意外になじみの少ないコケ植物の生存戦略や生理、生態を広くかつ科学的に正確に紹介している。さらに私たちの生活や文化との関わりまでも紹介しており、この1冊でコケの奥深い魅力に相当気づくことができるだろう。 (中公新書)



食・農学系

ロレンツォのオイル/命の詩

副腎白質ジストロフィーという難病の子供を救うべく、両親が賢明に研究を行う。そして特定のオイル(エルカ酸とオレイン酸からなるもの)を用いた食事療法により、症状の回復に至った実話を映画化したもの。栄養学の役割を再認識させられる秀作。 (ジョージ・ミラー:監督)



二重らせん

ジェームス・D・ワトソン

DNAの構造を解明してノーベル賞を受賞した著者、ワトソンによる自伝的な本。研究の熾烈な競争と、人間関係や感情・心情が生々しくリアルに書かれており、良い意味でも悪い意味でも人間味のあふれる内容となっている。ワトソンの一方的な視点から書かれているが、他の登場人物であるクリック、ウィルキンスの自伝や、フランクリン女史について書かれた本もあるため、比べて読んでみるのもよいだろう。 (江上不二夫、中村桂子:訳/ブルーバックス)


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