ソリトン波に魅了 その不思議を数学で解き明かす
川や海、光ファイバーにも現れるソリトン
川や海の水面を眺めていると様々な波を観察することができます。
私の研究しているソリトンという波動は1834年にエディンバラの運河でスコット・ラッセルによって初めて報告された波で、ラッセルは1マイル以上その波が崩れずに一定速度で進むのを観察したそうです。
その後の研究によりソリトンは水面のみならず光ファイバー中のパルスなど様々な場所に現れる波であることが明らかにされ、多くの現象を理解するために重要なものであると考えられるようになりました。
論文の著者に会いにイタリアへ!
私ははじめソリトンの安定性(ソリトンが崩れないこと)を研究していましたが、その後ソリトンのより詳しい性質である漸近安定性(ソリトンの近くの波がだんだんとソリトンの形状になっていくこと)を研究したいと思うようになりました。
ただ先行研究の論文が全く理解できなかったため、著者(クッカーニャさん)に直接聞こうと思いイタリアに行きました。そのおかげで漸近安定性のことが少しわかるようになり、またクッカーニャさんともここまで10年ほど共同研究を続けられています。
研究は、じっくり考えゆっくり進歩
ソリトンの研究は、一般の他の数学の研究と同様にゆっくりとしか進みません。ある方程式に登場するソリトンの漸近安定性を数ヶ月で示せれば良い方です。
しかし他の研究者のアイディアや自分自身でじっくり考えることにより、少しずつわからないことがわかるようになり、10年もすると結構進んだなと思えるようになりました。研究の良いところはそういうところだと思っています。
もともと物理学に興味をもっていましたが、数学の厳密な論理に惹かれて大学では数学を選びました。研究室を決める段階になって数理物理を輪読するゼミを選び、その後大学院から偏微分方程式の研究を始めました。
より専門的なことを研究する段階になって指導教官の先生からソリトンに関する論文を紹介してもらい、ソリトンの美しさや奥深さにすっかり魅了されてしまい今に至っています。
◆主な業種
(1) 小・中学校、高等学校、専修学校・各種学校等
(2) ソフトウエア、情報システム開発
(3) 学習支援(塾、フィットネスクラブ、各種教室、通信講座等)
◆主な職種
(1) 中学校・高校教員など
(2) システムエンジニア
(3) その他教育機関教員、インストラクター
f(x)を関数とし, f'(x)をfの微分とします。
(1) f'=f となるのはどのような関数でしょうか?
(2) f'=2f となるのはどのような関数でしょうか?((1)で得た関数をちょっといじってみましょう)。
(3) fが定数関数であればf'=0ですがf'=0ならば定数関数でしょうか?
(4) f'=fとなる関数全体はどんなものでしょうか?(1)で得た関数の他にはないのでしょうか?ないならどうやってそれを証明しますか?
Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 数学 |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? イタリアのトリエステ。小さな街ですが海も近く、歩いてどこへでも行けるので住みやすいです。 |