付加価値の高い有機化合物に変換する有機反応の開発
生活を豊かにする、有機化合物
有機化合物は炭素原子を含む化合物の総称です。炭素原子がほかの炭素原子や水素原子、酸素原子、窒素原子などと結合を作ることで様々な有機化合物ができています。
私たち自身が様々な有機化合物によってできているのは言うまでもなく、天然には非常に多くの有機化合物が存在しています。そして、天然に存在する有機化合物を原料として、私たちの生活を豊かにするために様々な有機化合物が人工的に作られています。
新たな結合法や切断法で新化合物の誕生へ
有機合成化学は名前に「合成」が含まれることからわかるように、有機化合物の新しい合成方法を考える学問です。
有機化合物の合成はしばしばレゴブロックに例えられます。炭素原子(ブロック)をうまく組みあげることで様々な有機化合物(造形物)を作ることができます。しかしながら、ブロックが容易につなげたり分解したりできるのとは異なり、結合を作ったり切断したりするのは必ずしも容易ではありません。
したがって、これまでは難しかった結合を自在に作ったり切断したりすることができるようになれば、これまでの方法で合成できなかった様々な有機化合物を合成することができるようになります。そしてこのことは、新しい医薬品や農薬、有機デバイスなどの開発につながると期待できます。
新しい有機反応を進行させる有機触媒
私たちは、簡単に手に入るシンプルな有機化合物を、付加価値の高い新たな有機化合物に変換するための新しい有機反応の開発と、そのような有機反応を進行させる触媒となる新しい有機化合物(有機触媒)の開発に取り組んでいます。
これまで作るのが難しかった有機化合物を簡便に作るための新しい道具を提供することによって、社会の発展に貢献することを目指しています。
高校時代はあまり勉強が好きではなかったのですが(サッカーばかりしていた)、化学は割と好きな教科でした。大学および学部・学科は、化学のなかで一番興味があった有機化学を勉強しようと思って選びました。現在の研究分野に至ったのは4年生での研究室配属がすべてでしょうか。配属された研究室で、先生方、先輩方に色々と教わりながら反応開発研究の醍醐味を味わって以来、ずっと有機合成化学に関する研究を続けています。
研究テーマに取り組むというより、「Science Portal」や「Chem-Station」などの科学(化学)系ポータルサイトで、様々な研究分野における最新の成果についての記事に触れてみるのが良いと思います。「おもしろい!」、「勉強してみたい!」と思えることに出会えるかもしれません。
Q1.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? ヨーロッパのどこか。以前に2年ほどドイツに住んでいたことがあるのですが、その間に行けなかった国や都市をぜひ回りたい。歴史や文化に触れるのはとても楽しいです。 |
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Q2.一番聴いている音楽アーティストは? Mr. Children『終わりなき旅』 |
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Q3.感動した/印象に残っている映画は? 『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』 |
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Q4.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? 子供と一緒に科学館やプラネタリウムに行ったり、イベントに参加したりすること。自分が子供だった時とはまた違った気づきや楽しさがあります。 |