医学の様々な発見を可能にする小さな機械=マイクロデバイス
小さな世界に拡がる驚くべき世界
ナノメートル・マイクロメートルという小さなサイズの世界(小さな世界)では、身の回りでは起こりえないことが起こったり、すごい性質が出てきたりします。例えば、物体が壁から落ちなかったり、金属が部屋の温度くらいで液体の様になったりと、常識では考えられないことが沢山あります。
ナノ・マイクロの現象解明に必要な研究道具
このような常識はずれな現象は、未来の産業や医療を発展させる種であり、それらは観察しながら調べることが重要です。そのためには小さな世界で使えるこれまでにない道具を一から作り出すことが必要となり、私はそのような道具を「半導体製造に使う微細加工」を応用したマイクロマシンの技術を用いて作っています。
医学の課題を小さな機械で解決
最近はその技術を応用して、新たな抗生物質の発見を補助するマイクロデバイス、ノーベル賞級の発見の可能性を秘めた微生物を培養可能にするマイクロデバイス、副作用の低い抗がん剤の組み合わせを調べるマイクロデバイスなどを作っています。医学の様々な課題に対して、革新的な小さな機械を使って解決することに挑戦しています。
私は小学生くらいから機械に興味を持ち、大学では機械を学びマイクロマシンの研究に興味を持ちました。大学院ではナノメートルサイズの構造を変形させるマイクロマシンを自分で設計して自分で加工して作りました。
そのマイクロマシンを使った実験は困難を極めましたが、初めてうまくいって原子の動きを見た時に、原子はこんな風に動くんだ!これを知っているのは世界で自分だけだ!と感動しました。
◆主な業種
(1) 医療機器
◆主な職種
(1) 設計・開発
◆学んだことはどう生きる?
主にメーカーに就職します。必ずしも研究内容に沿った分野に行くわけではありませんが、医療機器の開発に進む学生が多いです。また、博士課程に進学し、その後大学や企業の研究者になる人もいます。
機械の基礎をしっかり習得した上で、ロボットや宇宙、医療や情報と未来を切り開く技術を学習できます。特に東工大の機械はロボットが強く、座学に加えて、ロボットを制御する実習や、自分たちのアイデアを形にする実習など、実際に機械を作って、機械を動かす能力が身につきます。
顕微鏡で自然や道具を見て、小さな形と機能がどのように結びついているか調べてみましょう。例えば、ハスの葉の撥水、蚊の口、虫の眼、ヨーグルトの蓋、包丁の刃先などを見ると機能を引き出すための形がわかってきます。
Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? どの学問でもいい。事象をどの側面から見るかの違いだけで、最終的にはつながっていく。 |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? アメリカ。自由で多様な人種が集まっていて、研究するには良い。 |
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Q3.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? 本物や一流に触れること。ネットでわかった気になると、もったいないくらい本物や一流は深い。 |
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Q4.好きな言葉は? やってみたらええやん。 |