物質の持つトポロジカルな性質がわかる量子輸送の実験
「トポロジカル物質」の研究が盛んに
近年、物質中の電子を量子力学的に記述するためのバンド構造のトポロジカルな性質に焦点を当てた、トポロジカル物質と呼ばれる新しいクラスの物質の研究が非常に盛んになっています。
トポロジカル物質の中でも、ディラック半金属やワイル半金属と呼ばれる半金属物質では、もともと素粒子物理の分野で提唱されていた状態が低エネルギーのバンド構造として実現していることが明らかになりつつあります。
元素を原子スケールで積み上げ薄膜を作製
トポロジカル物質の研究では、分子線エピタキシー成長と呼ばれる薄膜作製手法が活躍しています。分子線エピタキシー成長では、物質を構成する元素を必要な量だけ個々に蒸発させ原子スケールで基板上に積み上げていくことで、非常に高品質な薄膜を作製することができます。もともとは半導体工業の発展とともに確立された手法ですが、最先端の物性物理の研究にも活用されるようになってきています。
高品質薄膜ならではの実験で
量子輸送の実験では、オームの法則に代表される古典的な輸送状態とは異なり、物質の持つトポロジカルな性質が電気抵抗等として顕在化する点に大変魅力があります。
この研究では、トポロジカル物質の中でも最も基礎的な性質を持つディラック半金属について、高品質薄膜ならではの電子の個数や分布を変えた実験を行うことで、電子が物質の表面と裏面を行き来する全く新しい量子輸送状態を明らかにすることに成功しました。
◆ 打田研究室HP
◆主な業種
(1) 半導体・電子部品・デバイス
(2) 精密機械・機器(医療機器・光学機器を除く)
◆主な職種
(1) 基礎・応用研究、先行開発
(2) 大学等研究機関所属の教員・研究者
Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 物理 |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? アメリカ |
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Q3.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? 育児 |
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Q4.好きな言葉は? 人事を尽くして天命を待つ |