物質の内部がわかる電磁波「テラヘルツ波」。その実用に向けた技術の開拓
発生・検出も難しく、未開拓な研究領域
テラヘルツ波と呼ばれる電磁波をご存知でしょうか。周波数がテラ(10の12乗)ヘルツの電磁波で、周波数的に電波と光の中間に位置します。
テラヘルツ波は電波のように物質を透過し、その内部の物質(薬品、食品、ガスなど)の種類までわかる唯一の電磁波です。近年では次世代高速通信への応用も期待されています。
しかし、発生するのも検出するのも難しく、可視光では当たり前のカメラなどのイメージング装置も実用的なものがなく、まだまだ研究しがいのある未開拓な研究領域でもあります。
世界トップレベルの高出力が可能に
私はテラヘルツ波の実用化を目指して高強度なレーザーを非線形光学結晶と呼ばれる特殊な結晶に入射することでテラヘルツ波の発生を行う方式を研究しています。
世界でもトップレベルの高出力なテラヘルツ波発生が可能であるだけでなく、同様の原理を用いて超高感度なテラヘルツ波検出もでき、世界最高性能の1兆分の1以下まで弱くなった極微弱テラヘルツ波の観測も最近実現しました。
禁止薬物や爆発物などをリアルタイムで検知できる
さらに、リアルタイムでテラヘルツ波の色の情報を得るシステム、テラヘルツ波イメージング装置といった、これまではテラヘルツ波では困難とされてきた技術実現に向けて研究を進めています。
これらが可能になると、空港や郵便局などで郵便物内部の禁止薬物や爆発物などをリアルタイムで検知できたり(実はX線では粉があることはわかっても種類の検知は困難です)、薬局で渡される処方薬の間違いを監視できたりと、日常の安心安全レベル向上に繋がります。
私がテラヘルツ波と出会ったのは高校生の時で、NHKの『サイエンスZERO』という番組を通じてでした。番組では、テラヘルツ波が他の電磁波とは異なる独特の特徴を持ち、日常生活の安全から宇宙開発に至るまで幅広い応用が期待されているが、まだ研究開発が十分に進んでいない、これからの研究分野であることが説明されていました。
研究者になることを夢見ていた私は、自分が研究するならばテラヘルツ波のような未開拓の分野、世界初の成果を挙げられる分野を目指したいと思ったのを覚えています。
◆主な業種
(1) 自動車・機器
(2) 電気機械・機器(重電系は除く)
(3) 通信
◆主な職種
(1) 基礎・応用研究、先行開発
(2) 設計・開発
(3) 生産管理・施工管理
Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 建築 |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? カナダ:短期留学していた際に、優しい人が多く、自然も豊かであると感じたため |
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Q3.大学時代の部活・サークルは? ビックバンドジャズ |
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Q4.好きな言葉は? 好きこそものの上手なれ |