異種ゲノム導入技術でバラエティに富んだ作物を開発
作物新品種の開発技術で食糧資源を開拓
気候変動下における食糧生産問題の解決に向けて、画期的な作物新品種の開発が求められています。本研究では、バラエティに富んだ多品種開発の基盤技術を確立し、画一的な少数品種による大量生産からの脱却、不測の事態に備えた持続的な食糧資源の開拓を目指しています。
異種ゲノム導入は作物の多様性を拡げる
ある生物の特定の染色体(遺伝子)を自在に付け加えたり、取り除いたり、別の生物の染色体と交換したりする技術は遺伝学、育種学を専門とする研究者にとって大きな夢です。
このうち少数の遺伝子を導入することは遺伝子組換え技術の確立によって可能になりました。また、CRISPR/Cas9によるゲノム編集技術は狙った遺伝子に突然変異を導入することを可能にしました。
一方で、染色体レベルで特定のゲノム領域を追加したり、異なる種のゲノムと交換する技術についてはまだ確立されていません。異種ゲノムを自在に追加・交換できれば作物のゲノム多様性を拡張する可能性を持っており、その開発が期待されています。
パンコムギで異種ゲノム導入技術を開発する
世界三大穀物の一つであるパンコムギは二回の属間交雑とゲノム倍加を経て進化した作物です。
この進化過程からもわかるように、パンコムギは三つの異種ゲノムが共存することを受け入れた異質六倍体であり、現在でも他の近縁種と雑種種子を形成することができます。
このため異種ゲノム導入技術を研究する格好の材料と言えます。そこで、本研究ではパンコムギと異種植物の交雑親和性を制御する遺伝子を特定し、異種ゲノムを効率的に追加する技術の開発を目指しています。
私が研究者を志したのは高校3年の夏でした。
それまでの私は小学校から始めた野球にのめり込み、毎日野球のことばかり考えていました。高校3年の夏はそれまでの努力が実を結び甲子園大会に出場することができました。
野球を通じて様々な人と出会い、自分の進む道を真剣に悩み、出した結論が研究者です。目の前にある疑問に自ら答えを出していく生き方に強く惹かれたのです。
Q1.大学時代の部活・サークルは? 硬式野球部 |
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Q2.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? 家族旅行 |
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Q3.好きな言葉は? 為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり |