紐の数学的な研究から、複雑な分子など自然界にある紐構造を分析
留学で知った、数学で科学の課題に取り組む面白さ
大学院博士課程時のイギリスへの留学経験が私の進路に大きな影響を与えました。それまで、学部生からずっと数学科に在籍し、数学の勉強と研究のみ行ってきました。研究分野はトポロジーと呼ばれる幾何学の一分野です。
留学先もトポロジーの研究室でしたが、この研究室ではトポロジーを用いて諸科学の問題に取り組む融合研究を行っていました。異なる文化や背景を持つ研究者たちと協力して科学の諸問題に取り組む姿勢が興味深く、私に大きな刺激を与えました。
融合研究に興味。現在は国際融合研究拠点で
例えば、実験系の研究室に何週間も滞在して一緒に実験結果を見ながら議論するという研究スタイルに驚きました。そして異分野間で新たな研究の方向性を模索するという姿勢がとて印象的でした。この時から私は数学の研究だけではなく融合研究にも興味を持ちました。
帰国後はまた数学の研究が中心となりましたが、留学先での研究経験が私に与えたわくわく感はその後も私の研究を推進する原動力となっていました。その後たくさんの経験を経て、現在私は大学内の国際融合研究拠点で主任研究者を務めています。
異なる文化や背景を持つ研究者との刺激的な日々
私の研究テーマはトポロジーの中でも特に紐の形の複雑さの解析です。そしてこの紐の数学的な研究によって、自然界にある複雑な分子などの紐の構造を分析することを目指しています。
ここで留学時のわくわく感を今また経験しています。異なる文化や背景を持つ研究者たちと協力して科学の諸問題に取り組むという、とても刺激的な日々です。留学が私にもたらした貴重な経験と出会に感謝しています。
小学生の時から算数が好きで、中学、高校では将来理系の研究者になりたいという漠然とした夢を持っていました。高校の時には一番好きだった数学の勉強を大学でも続けたいと考え、数学科に配属できる理学部に入学し、その後数学科に進学しました。
特に大きなきっかけというものはなく、もっと数学を学んでみたいという気持ちでここまで来たと思いますし、これからもそういう気持ちで頑張っていきたいです。
Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 数学 |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? イギリス |
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Q3.感動した/印象に残っている映画は? 天空の城ラピュタ |
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Q4.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? 旅行 |