「細胞の温度調節」があってこそ、私たちの健康がある
幼い頃から好きだった観察と考察
私の研究は、幼い頃から何となく性に合っていると感じていた2つのことに深くつながっています。その一つは「疑問に思ったことをよく観察すること」、もう一つは「物事どうしの関係性を考察(妄想)すること」で、昔から生物や自然の観察だけでなく、いわゆる人間観察が好きです。
このような性分は大学生時代に湧き出た「私たちの体の中で起こる現象がどのような原理で起こっているのかを知りたい」という感情につながりました。
体を作る細胞の中で起こる化学反応
私たちの体を作る約37兆個の細胞の多くは、大きさがおよそ1ミリメートル以下で、その中ではタンパク質などの働き手(生体分子)が決して渋滞せずに動き回り、私たちの体に必要な化学反応を起こしています。
細胞や生体分子たちが見せる現象は美しくも複雑ですが、それらの関係性を深く観察し、その仕組みを物理と化学のことばで表現しようとする「生物物理学」が、私の専門分野です。
細胞の温度調節が絶妙な化学反応の鍵
現在私は、私たちにとって最も身近な物理のことばの一つである「温度」に着目しています。私たちの一定に保たれた体温は体調のものさしですが、私は以前、この体温が細胞ごとに調節されていることを意味する現象を発見しました。
そこで、この「細胞の温度調節」こそが個々の細胞の中での絶妙な化学反応を可能にし、私たちの健康を支えているのではないかと考えています。
私の研究から「私たちの体温はなぜ調節されなければならないのか?」という生命の根本的な謎に対する答えが得られることを夢見ています。
もともと自然現象を司る原理に漠然とした憧れがあり、大学では化学を専攻しました。その専門課程では、有機化学や無機化学、物理化学などを幅広く学び、それぞれに面白みを感じていました。
ですが、私たちの体の働きだけでなく感情までをも化学のことばで説明しようとする生化学や分子生物学に出会ったことで、私は自らの興味、つまり「生命活動の理(ことわり)を正確に記述したい」との感情を自覚し、大学院に進学する際に生物学の道に飛び込むことを決意しました。
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「7.生物・バイオ」の「21.分子生物学・細胞生物学・発生生物学、生化学(生理・行動・構造等 基礎生物学も含む)」
◆主な業種
(1) 薬剤・医薬品
(2) 食品・食料品・飲料品
◆主な職種
(1) 薬剤師等
(2) 基礎・応用研究、先行開発
Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 水産学。水族館の学芸員になりたかったです。 |
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Q2.一番聴いている音楽アーティストは? ももいろクローバーZ『ロードショー』。元気をもらえます! |
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Q3.学生時代に/最近、熱中したゲームは? 最近では『ポケモンGO』。何かを集めて育てるのは、私の研究者としての性分に合っているようです。 |
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Q4.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? ジョギング。「こうすればもっと速く走れるのではないか?」と仮説を立てて検証するのは、研究と同じ面もあります。 |