牽制しあう細菌たち。細菌の相互作用を解明する
コミュニケーションツールは化学物質
地球上にはたくさんの国・人種があり、人間は他者とのコミュニケーションに言葉を使います。
人間同様、細菌も様々な種類がありますが、細菌はコミュニケーションツールとして化学物質を使います。細菌の種類や状況に応じて使用する化学物質が違いますが、その詳細はよくわかっていません。
私たちは細菌がどのように化学物質を使って相互作用しているのかを理解することを目標に、コミュニケーションツールとして使われる化学物質を探しています。
細菌Aは細菌Bの生育を邪魔する
最近、私たちは2種類の細菌(細菌Aと細菌B)間の相互作用に着目した研究を進めています。
化学物質と同様に細菌同士の相互作用を仲介する小胞を細菌Aから採取し、その小胞で細菌Bを刺激しました。すると細菌A・B間の相互作用を模倣できるため、細菌Bが相互作用に使う化学物質を取得できました。
さらに研究を進めると細菌Aの小胞は細菌Bが快適に生育することを邪魔することがわかりました。一方で、私たちが細菌Bから見つけた化学物質は細菌Bの小胞に搭載されて細菌Aの生育を邪魔していました。
このことから細菌AとBは小胞と化学物質を介してお互いに牽制しあっていることがわかりました。
体内の細菌バランスが崩れると病気に
人の体の中にも多種多様な細菌が棲んでいて、細菌間のバランスが崩れると病気になることがわかってきました。
私たちの研究は体内の細菌バランスがどのように保たれているのかを知るきっかけになります。将来的には細菌バランスを補正する新たな薬の開発にも貢献できます。
大学院生の頃は細菌から薬の種になりそうな化学物質を探していました。色々な論文を読んでいるうちに自分が探している化学物質は自然界でも役割があることを知り、化学物質を介した細菌間相互作用に興味を持ちました。
◆主な業種
(1) 薬剤・医薬品
(2) 化学/化粧品・繊維・衣料/化学工業製品・石油製品
◆主な職種
(1) 基礎・応用研究、先行開発
(2) 薬剤師等
(3) 大学等研究機関所属の教員・研究者
◆学んだことはどう生きる?
微量の化学物質を精製する技術や化学物質を取り扱う知識を活かし、製薬会社で研究職として活躍しています。
新薬開発や薬剤師には物理・化学・生物・医療にわたる様々な知識が求められます。そのため薬学部では学部生のうちから幅広い分野を学ぶことができます。
Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 薬学部 |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? アメリカ。良くも悪くも他人を気にしないから。 |
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Q3.大学時代の部活・サークルは? 剣道 |
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Q4.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? 神社の巫女さん |