植物科学の常識をぶっ壊す「植物の細胞融合」の謎
細胞と細胞がくっつく、細胞融合現象
「植物細胞は、細胞膜の外側に細胞壁という植物細胞に特異的な構造を持っている」―細胞について勉強している学生さんなら聞いたことがあると思います。
細胞融合は、隣り合う細胞の細胞膜同士がくっつくことで起こる現象です。そのため、通常、植物細胞は融合しない(するはずがない)と思われています。
細胞融合を起こさせる微生物がいる
しかし、植物に寄生する線虫の一種であるシストセンチュウは、植物に細胞融合を起こすことができます。シストセンチュウは、植物よりも圧倒的に小さく肉眼では観察できないような生物です。
こんな非力そうな生物が、植物科学の常識をぶっ壊すような現象を起こせる…なんで? どうやって? そんな目に見えない微生物が起こす知られざるGiant killing(番狂せ)に魅了されて研究を始めました。
隠された細胞融合現象の発見を目指して
動物と植物で共通している唯一の細胞融合は、卵子と精子が融合する「受精」です。動物では、受精の他に骨格筋や胎盤の形成において細胞融合が起こることが知られています。
一方、植物において自然に起こる細胞融合は、受精を含む生殖過程で起こるものしか知られていません。しかし、動物では様々な組織の発達に必須な細胞融合現象は、本当に植物の生育には必要ないのでしょうか?
シストセンチュウが起こす細胞融合をきっかけに、これまで見逃されていた植物の細胞融合現象を発見することで、「細胞融合は起こらない」を覆せたら面白いなと思って研究を進めています。
正直にいうと”なんとなく”です(笑)。高校の時に生物の授業が好きで、農学部への進学を決めました。
その後、研究室選びの際に「植物と微生物とのやりとりを研究するって複雑で面白いな!」と思い、研究にはまっていきました。ですので、特に強いこだわりがなくても、”なんとなく(好き)”という直感を大事にするのもいいのかなと思います。
奈良先端大は4校しかない国立の大学院大学です。研究分野だけでなく、国籍さえも様々な学生が集まる非常に多様性に富んだ大学院だと思います。
そして、研究に非常に力を注いでいるところが最大の強みで、研究設備も整っていて(奈良の片田舎であるにも関わらず)独創性の高い最先端の研究をしています。思いっきり研究をしたい人にはとてもおすすめです。
Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 考古学 |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? 研究員をしていたイギリス。4年間本当に楽しく暮らせたので。 |
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Q3.学生時代に/最近、熱中したゲームは? モンスターハンターシリーズ。プレイステーション5の新作を待ってます。 |
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Q4.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? ラテの美味しいカフェを探すこと。猫と遊ぶこと。 |