センサデータと深層学習で人の行動を推定
ウェアラブルウォッチはセンサと解析で実現
みなさんはウェアラブルウォッチをお使いになったことがあるでしょうか?
私はランニングが趣味(速くはありません)なのですが、走った経路や標高、時間帯ごとの速さ、心拍数などが、走る途中の時計の画面にも表示され、単に苦しく走るだけではない、新しい価値を提供してくれます。
加速度計やGPSなどのセンサと、深層学習などの解析によって、このような機能が実現されています。
ドアの揺れ方から、誰が開けたか推定
研究室では、センサデータと深層学習で人の行動を推定する研究をしています。
たとえば、ドアの揺れ方は、誰が開けたか、内側から開けたか・外側から開けたか、どんなドアを開けたかで変わるのですが、ドアに加速度計を取り付けてデータを解析することによって、この3つをそれぞれ認識することが実現できてきています。
人の行動を推定するためには、カメラで撮影した映像を解析するのが一般的で、研究室でもこれまでにカメラを使って教室内の学生の行動を認識するような研究を行ってきました。確かにこれだと人の行動は推定できるのですが、プライバシーの問題が起こってしまいます。
プライバシーにも配慮
深層学習の急激な発展によって、世界中で人のプライバシーを侵害するようなカメラや情報技術の使い方を制限するような法律が作られてきています。
センサを使ったような、人に拒否感を与えにくい仕組みをデザインすることで、プライバシー保護が問題となりやすい、教育・医療・家庭・オフィスなどのそれぞれの場面で使い続けられるような仕組みを目指しています。
小学生の頃にはファミコンでドラゴンクエストやファイナルファンタジーに熱中していました。大学でも情報学科を選び、画像処理の研究室に入りました。
最近では深層学習の登場によってできることが増え、ぱっと見ただけでは理解できないセンサのデータからいろいろなことがわかる認識の問題を面白く感じるようになり、画像処理から離れた研究を始めました。
◆主な業種
(1) コンピュータ、情報通信機器
(2) 電気機械・機器(重電系は除く)
(3) ソフトウエア、情報システム開発
◆主な職種
(1) 設計・開発
(2) システムエンジニア
山梨大学の工学部では、医学部や生命環境学部(自然科学)と連携して研究をすることがよくあります。他の大学よりも出口を見据えた応用研究が多い印象があります。地元企業と連携した織物設計やメロン栽培のための研究にも携わってきました。
ウェアラブルウォッチで得られる自分の生活データを眺めてみて、”勉強をしている”時間帯だけを抜き出すことを考えてみましょう。生活データがどんな特徴を示すときに、勉強している時間帯だったと判定できるでしょうか。
Garmin Japan (YouTube)
ランニングやラグビー、登山、ゴルフ、ダイビング、ヘルスケアのためのウェアラブルウォッチの製品紹介がまとめられています。加速度や心拍計、GPSなどのセンサと機械学習によって、個別の目的に合わせたデータの解析ができることを感じてもらえます。
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Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 深層学習 |
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Q2.学生時代に/最近、熱中したゲームは? XI JUMBO (サイコロを転がして消すパズルゲーム) |
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Q3.大学時代の部活・サークルは? 弓道部 |
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Q4.好きな言葉は? 批評家になるな、いつも批判される側にいろ。(伊東善太郎、脳外科医) |