反応工学・プロセスシステム

アンモニア合成

アンモニア合成で食糧・エネルギー問題を解決する


小川敬也先生

京都大学 エネルギー科学研究科 エネルギー社会・環境科学専攻

出会いの一冊

竜馬がゆく

司馬遼太郎(文春文庫)

幕末の時代の流れの中で、国を憂いて日本を救うために命をかけて生きた坂本竜馬に、魅力を感じない人はいないはずです。大志を持って生きることの大切さ、そしてそういった人生が魅力にあふれることを教えてくれる本だと思います。

土佐藩全体を尊王攘夷の一色にしようとした政治的なアプローチをした武市半平太と違って、竜馬が脱藩を選び、最終的に海援隊で商売によって金銭的な力を蓄えて倒幕に貢献したという史実は、政治は重要でありつつも、やはり圧倒的な力がものを言うはずであり、それを蓄えることこそが重要である、という今の考えにつながっています。

こんな研究で世界を変えよう!

アンモニア合成で食糧・エネルギー問題を解決する

肥料だけでなく石油代替燃料でも注目

私はアンモニアを効率的に合成する手法について研究しています。アンモニアは必須栄養素の人工肥料として世界中で合成されています。更にエネルギー密度が高いため、石油代替燃料としても注目を集め、再生可能エネルギーを利用して合成する研究が盛んに行われています。

絶対的かつ圧倒的な価値を追求

私がこの研究を志したのは20歳くらいでした。人それぞれ価値観を持ち、物事の価値は相対的で揺らぐものだと理解しつつも、できるなら絶対的に価値のあることをしたいと考えていました。そして多くの人に影響のあることをしたいと思っていました。

例えば医療で難病を治す薬の開発は、その病気の患者にとって重要であり、絶対的に価値があると言えます。その一方で、その患者がほんの一握りしかいない場合、影響は限定的でやりがいは感じにくいと考えました。絶対的であり、かつ圧倒的な数の人々に価値のあることをしたい、というのが当時の考えです。

エネルギー、肥料、水を生み出すプロセスを作る

そうしたとき、食糧や水はどの人間にとっても絶対的に価値があり、かつ飢餓に苦しむ人は今も圧倒的に多いと言えます。かと言って、それに直接アプローチするには経済的な困難がつきまといます。

ならば、効率的にアンモニアを合成し、石油代替燃料として利益を稼ぎつつ、その副産物として安価に肥料のアンモニアや水が生産できれば、多くの人にその絶対的な価値を提供できるのではないか、と考えたのが今の道にいる理由です。引退するまで自分にとって価値のあり続けるものになるだろうと見込んで、今もこの研究を進めています。

研究構想の応用先候補であるヨルダンの方々へ、自分の研究構想をプレゼンしています。
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「選択的H+伝導膜に基づくNH3電解合成の手法確立と経済性検証」

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文理融合の専攻で、エネルギー問題を解決するための横断的な研究ができるという特徴があります。文系理系が総合的にエネルギー問題の解決に取り組んでおり、非常にバラエティに富んだ研究室が揃っているので、多くの分野について精通することができます。

ヨルダンの死海の調査をしているところです。
ヨルダンの死海の調査をしているところです。
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