大きさ従来の1/100以下、マイクロLEDで脳を知る
電球にも使われるLEDを脳科学に
電球、蛍光灯はすっかりLEDライトに変わり、LEDは私たちの生活を支える身近なものになりました。
最近は「マイクロLED」という従来のLEDよりも1/10、1/100以下となる小さなLEDの集積化技術が注目されていて、1cmの中に数百万個を並べることで、高輝度で高効率なディスプレイの誕生が期待されています。
私はこの小さなLEDを脳科学へと応用することを考えていて、脳のどこを刺激するとどこの脳活動が活性するのかを調べたいと思っています。
光なら脳の活動が正確にわかる
今までは薬や電気で脳を刺激して調べていましたが、薬は次の刺激を与えるときに前の薬が抜ける必要がありますし、電気の場合は刺激したい場所以外にも影響を与えてしまいますが、光の場合には特定の場所へのON・OFFが簡単にできるため、正確に刺激場所と脳活動の関係を調べることができます。
脳は本来光には反応しませんから、遺伝子工学の技術によって光に反応する脳の神経を作ることで、このような実験を可能にしています。
脳を傷つけず複雑な刺激が可能
従来はマウスの脳組織に光ファイバを刺して光刺激をしていたのですが、ファイバは太く脳にダメージを与えたり、脳神経活動の関係を調べるために複数の場所を刺激するのが困難でした。
このマイクロLEDを用いれば組織を傷つけにくく複雑な刺激が出来るため、医学・薬学分野では調べることが難しかった脳の仕組みを理解することに繋がることが期待されています。薬学・医学の専門家とコラボしながら、新たな分野へと挑戦を続けていきたいと思います。
◆テーマとこう出会った
10年以上LEDのための材料開発や、LEDの微細集積化技術の研究をしていましたが、既に産業化が進みつつあるLEDにおいて、何が次のターゲットになるのかを探していました。たまたま子どもの幼稚園で知り合ったパパ友が薬学を専門とする大学の研究者で、何気ない会話の中でそれぞれの研究について話をしました。
それから半年くらい経って、なんとなく頭に残っていたキーワードから現在の研究テーマについて声を掛けていただき、それをきっかけとして現在の研究が始まりました。簡単にわかりやすくキーワードのみで説明したことや、異なる分野のテーマでも積極的に興味を持って話し合いを持てたことが、医薬学と工学との融合領域研究に繋がったと思います。
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「11.バイオ工学」の「38.バイオ生産工学・プロセス、発酵工学」
大人のための図鑑 脳と心のしくみ
池谷裕二(新星出版社)
イラストや写真を多く使用して、最近の脳科学をわかりやすく簡単に説明しています。脳がどの様なものだと理解されていて、どこまでがわかっているのかを知ることができ、脳について更に深く知りたくなるきっかけを与えてくれる一冊です。
Q1.18歳に戻って大学に入るなら何を学ぶ? 医学と工学 |
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Q2.一番聴いている音楽アーティストは? Official髭男dism。特に、『115万キロのフィルム』。 |
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Q3.感動した映画は?印象に残っている映画は? 『ショーシャンクの空に』 |
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Q4.熱中したゲームは? 『ウイニングイレブン』 |
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Q5.大学時代の部活・サークルは? スカッシュ |