キリスト教用語は、どのように中国語で翻訳されたか
新しくつけられた名称は、実体と一致しているか
神のことばとされる『聖書』には、天地万物を創造した神が、人にすべての生き物に名前をつけさせたことが書かれています。人は何かと名前をつけたがります。生まれての赤ちゃんはもとより、ペットの犬や猫、トカゲやカメにも名前をつけるほどです。しかし、新しくつけられる事物や観念の名称は、実体と一致している訳ではありません。
「熊猫(パンダ)」は読み違いから生まれた
パンダは中国語では「熊猫」ですが、「熊のような猫」ではその姿と大きく異なります。これは元々縦書きで「猫熊」と書いていたのを一字改行したために、横書きとして左側から「熊猫」と間違って読んでしまったからです。しかし、この間違った「熊猫」が広まると、それが正しい中国語として定着したのです。
どんな翻訳過程を経て、洗礼、聖霊、十字架となったか
私の研究では、それまでにない事物や観念が中国に入ってきた時に、それがどのように受け入れられて中国語化されたのかを解明することです。
具体的には、西洋文化を代表とする聖書にある「洗礼」や「聖霊」、「十字架」をはじめとするキリスト教用語が、ゼロからどのような翻訳の過程を経て、現在の中国語の表記になったかを解明することです。
また、聖書の中国語への翻訳を通して、西洋語の文法構造が中国語に与えた影響も解明しようとしています。
年長者はよく若者のことばの乱れを嘆きますが、生きている言語は変化します。変化しなくなった言語は、死んだ言語なのです。聖書の訳語や文体の変遷の研究は、中国語という言語の変化の仕組みを解明することにもなるのです。
「非中国語圏で成立した最早期のプロテスタント系漢訳聖書の訳語・文体形成に関する研究」
◆主な業種
(1) 官庁、自治体、公的法人、国際機関等
(2) ホテル・宿泊・旅行・観光
(3) 商社・卸・輸入
◆主な職種
(1) 一般・営業事務
(2) 事業推進・企画、経営企画
(3) 営業、営業企画、事業統括
◆学んだことはどう生きる?
これまでは製造業や商社を中心に中国語圏に駐在して働く人材が求められてきましたが、近年ではそれに加えて、中国語圏からのインバウンドが増加しており、日本国内で働く、中国語、あるいは中国語圏の文化を理解している者がよりいっそう求められています。例えば、国内テーマ・パークで中国語圏の来場者を増やす企画や工夫を行ったり、県庁や市役所において中国語圏観光客の増加策や、多文化共生社会のための施策の立案を行ったりしています。
福井大学国際地域学部を表すキーワードは「グローカル」(グローバル×ローカル)です。これまでのグローバル化といった一方通行では、現在の世界で起こる課題の解決は困難です。この諸課題の解決には、グローバルな視点とローカルな視点の両方で世界を捉えなおすことが必要です。この学部では、グローバルに関する学問とローカルに関する学問を研究する教員がおり、複雑で多様化した世界で輝ける人材を育成しています。
Q1.18歳に戻って大学に入るなら何を学ぶ? 哲学。自分にはないいろいろな考え方に触れることができ、それを自分の思考に活かせるから。 |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? 中国語圏(中国、香港、マカオ、台湾、シンガポール)。街が活気と刺激に溢れていて、自分にも何か新しいことができそうな気がする。 |
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Q3.感動した映画は?印象に残っている映画は? 『白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々』。困難の中にあっても正しい信念を曲げないところが良い。 |
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Q4.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? 中国語書籍の書店でのアルバイト。アルバイト収入以上に、その書店で本を購入していた。 |
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Q5.研究以外で楽しいことは? 料理(中華料理が中心、食べた物はおおよそ再現して作ることができる) |