ネガティブな気持ちと上手につき合い、悩みを減らす教育プログラム
気持ちに振り回され、後悔することも
友だちと意見が合わなくてイライラ、進路が決まらなくて不安、楽しみにしていたことが中止になって悲しい。このようなイライラや不安、悲しみは誰もが日常的に経験することです。時にはイライラが大きくなりすぎて物にあたってしまったり、不安が大きくなりすぎて勉強が手につかなくなったりということもあるかもしれません。
このように「気持ち」は誰もが経験するもので、どんな気持ちも大事なものですが、気持ちに振り回されてしまうと後で後悔するような結果になることもあります。そうならないためには、自分の気持ちと上手につき合っていくことが大事です。
気持ちとのつきあい方には多くの研究がある
では、どうすれば気持ちと上手につき合えるのでしょうか。実は、気持ちと上手につき合う方法については多くの研究が行われ、効果が大きいという証拠が得られているものもあります。海外では、このような研究にもとづいて、学校で気持ちとの上手なつき合い方や人との上手なつき合い方について教える教育がたくさん行われています。
学校で実施しやすい教育プログラムを
日本でも、気持ちとのつき合い方や対人関係に悩んでいる人はたくさんいますが、日本の学校はとても忙しいため、海外のそのような教育をそのまま日本で行うことは難しいのです。
このため、私たちは日本の学校やその他の施設等で実施しやすい教育プログラムを作成し、その効果を確認しています。悩むこともときには大事ですが、このようなプログラムで深刻な悩みを少しでも減らせることを目指しています。
人がみな自分の感情と上手につき合うことができ、相手のことも尊重しながら対人関係を上手に築いていくことができれば、それは平和や公正につながります。手軽に取り組みやすく、かつ効果の高いもので、気持ちと上手につき合う方法や人と上手につき合う方法を学べる教育プログラムが拡がれば、この目標に近づきます。
◆先生が心がけていることは?
社会によって作られた、性別や国籍、年齢等のイメージにとらわれないように心がけています。
「放課後等デイサービスにおける支援機能向上に資する複層的な支援リソースの開発と検証」
赤木和重
神戸大学 大学院人間発達環境学研究科
自閉症スペクトラムのある子どもたちのコミュニケーションや発達、インクルーシブ教育について研究されています。視点が非常に柔軟で、現場のことを大事にしつつ研究をまとめていく姿勢をもっています。今ある常識にとらわれず、新たな視点から子どもたちやその保護者のためになるアプローチを提案されるあり方は見習っていきたいと思っています。
山根隆宏
神戸大学 大学院人間発達環境学研究科
発達障害のある子どもの保護者の心理やその支援について研究されています。また、発達障害のある子ども自身の支援についても研究されています。多忙な中でもマイペースにコツコツと研究を進める姿勢に刺激を受けています。研究のことからワークライフバランスの面までさまざまな点で議論を交わしたり相談したりしています。
大谷直史
鳥取大学 教員養成センター
子どもを支える社会的リソースや子どもを取り巻く社会や環境について研究されています。研究だけではなく具体的な実践に取り組み、直接的に子どもたちを支えていく姿勢に学ぶところの多い先生です。
Q1.18歳に戻って大学に入るなら何を学ぶ? デザイン |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? チェコ。美しいから。 |
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Q3.一番聴いている音楽アーティストは? ハンバート ハンバート『横顔しか知らない(ケルティックバージョン)』 |
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Q4.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? 新聞社での選挙報道の補助 |
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Q5.研究以外で楽しいことは? 子育て |