情報探索者にしてガードマン!忍者「伊賀者」とは
徳川幕府の下級武士

私の研究は「徳川幕府御家人伊賀者の制度史的研究―関係史資料収集とその総合的把握」です。難しそうに聞こえますが、要するに、徳川幕府に仕えた伊賀者という下級武士の史料を集めましょう、というものです。「伊賀者」というのは、そう、あの忍者の伊賀者です。
忍者といえば、皆さんは漫画・アニメの『忍たま乱太郎』(尼子騒兵衛作)をイメージするかもしれませんけれども、私にとっての忍者の研究というのは、下級武士の研究なのです。
実は、忍者=将軍のガードマン要員
忍者は、一言でいえば、「忍び」という特殊任務についている足軽(下級武士)です。「忍び」とは、非戦争時に情報探索をしたり、戦争時に敵情偵察をしたり奇襲をしたりなどすることです。戦争時には重要な人びとでした。
とはいえ、皆さんご存じのように、徳川幕府が治めた日本は、平和な世の中でした。それでも幕府が伊賀者を召し抱えた理由は、平和な時代の情報探索に使ったということ、将軍のガードマン要員として使ったということなどです。徳川時代の伊賀者は、ほとんどがガードマンの下級サラリーマンでした。
伊賀者を探れば大奥の事情もわかる
しかし、彼らはただびとでなく、とてもユニークです。というのは、戦国時代とかわらず情報探索に従事し、江戸城大奥というトップ・シークレットの政治中枢部のガードマンをしていたからです。大奥は、その性格上、史料が少ないのですが、伊賀者を探れば、大奥の一部も垣間見ることもできます。

「徳川幕府御家人伊賀者の制度史的研究―関係史資料収集とその総合的把握―」

◆ゼミで最初に学ぶこと
諸藩(各大名家)における伊賀者の史料を講読しています。くずし字を読めないといけないので、まずその読解能力をつけることから始めます。

◆「忍者修行 其の五 ~能ある忍者は爪を隠す、古文書に秘められた謎の巻」(かもめの本棚)
◆「ワタシと忍者」高尾善希(三重大学准教授)xいずみ朔庵(イラストレーター/江戸文化喧伝家) 三重大学伊賀連携フィールド 特別講座「忍者・忍術学講座inTokyo」(Youtube)
◆「三重大学大学院で「忍者学」を勉強してみた」シリーズ第1回(Youtube)
◆ 「徳川幕府伊賀者松下菊蔵の生涯」(高尾善希 三重大学国際忍者研究センター准教授)三重大学伊賀連携フィールド2020年度前期市民講座 「忍者・忍術学講座:忍者 さらなる深みへ」(Youtube)

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Q1.18歳に戻って大学に入るなら何を学ぶ? 日本史。何度生まれてきても日本史であろう。しかし、もし何度目かに生まれてきた時に絵がうまかったならば、浮気して、アニメーターになるかもしれない。 |
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Q2.感動した映画は?印象に残っている映画は? アレクサンドル・ソクーロフ監督の『太陽』 |
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Q3.大学時代の部活・サークルは? 古文書研究会 |
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Q4.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? 史料調査のバイト |
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Q5.研究以外で楽しいことは? 眠ること。音をかけながら眠ると、その音の内容が夢の内容に影響を与えます。 |