日本語教育

読む力

楽しく、たくさん読んで、読む力を向上させよう


吉川達先生

佐賀大学 国際交流推進センター

出会いの一冊

日本人の知らない日本語

蛇蔵&海野凪子 (KADOKAWA)

日本語教師が日々接する日本語学習者の疑問・難問をおもしろおかしく描いています。マンガでとても読みやすいですが、どれもこれも日本語教師なら「そうそう!」と納得してしまいます。日本語教師ってどんな仕事?日本語学習者ってどんな感じ?異文化交流って言うけど異文化って何?ということを教えてくれる一冊です。

こんな研究で世界を変えよう!

楽しく、たくさん読んで、読む力を向上させよう

読まないと力はつかないが、読むのは苦痛

皆さんは、学校で英語を勉強していると思います。同じように、世界には日本語を勉強している人たちがいます。そのような人たちを日本語学習者と言って、日本語学習者に日本語を教えることを仕事にするのが、日本語教師です。

私は今、留学生に日本語を教えながら、どうすれば日本語学習者が日本語で読む時の能力を向上させられるかということを研究しています。皆さんも英語を勉強していてわかると思いますが、外国語で長い文章を読むことは大変なことで、ストレスもあります。

しかし、読む力を向上させようと思ったら、読むことを繰り返すしかありません。上手に泳ぎたいと思ったら、泳いで練習するしかないのと同じです。読むことが苦痛だと、たくさん読むことはできません。すぐにやめてしまいます。そこで私が考えているのが、自由に、楽しく、たくさん読んで、読む力を向上させようということです。それを多読と言います。

多読が読む力を向上させることを証明したい

みなさんは、何のために英語の文章を読んでいますか。おそらくほとんどの人が、勉強やテストのために、しかたなく読んでいると思います。それじゃ楽しくないですよね。

この「読まされる→楽しくない→読まない→読む力が上がらない」の悪循環を「楽しく読む→また読みたくなる→たくさん読む→読む力が上がる」という好循環に変えようとするのが、私の研究です。そして、多読が読む力を向上させるということを証明したいと思っています。

多読授業の様子。静かに読んだあとはみんなで読んだ本についてワイワイ話し合います。
多読授業の様子。静かに読んだあとはみんなで読んだ本についてワイワイ話し合います。
先生の専門テーマ<科研費のテーマ>を覗いてみると

「日本語教育における多読の環境整備と実践、効果測定についての研究」

詳しくはこちら

どこで学べる?
もっと先生の研究・研究室を見てみよう
自分が読んで気に入った本を紹介する留学生
自分が読んで気に入った本を紹介する留学生
中高生におすすめ

きみがモテれば、社会は変わる。

宮台真司(イースト・プレス)

「よりみちパン!セ」というシリーズの一つです。このシリーズは世の中のいろいろなことを、中高生向けにやさしく書いてあるのでお勧め。この本はモテるための本かと思ったらそうじゃなくて、しっかりした社会学の入門書です。中高生に(大学生にも)知っておいてほしいことがたくさん書いてあります。


5分後に意外な結末 1 赤い悪夢

学研教育出版(学研プラス)

その名の通り、5分ぐらいで一つの話が読める短いストーリーがたくさん集まっている本です。話にオチがあるので、読んでいて楽しい。日本語が上手な留学生にも勧めています。これもシリーズなので、感動ものや恋愛ものなど、好きなテーマを探してみるといいと思います。


「読む」って、どんなこと?

高橋源一郎(NHK出版)

国語の授業って退屈かもしれません。しかしこの本を読めば、明日から授業の見方が変わるかも。みなさんが国語授業で当たり前にやっていたことを、「それでいいんですか?」と考えさせてくれる本です。特に5章(5時間目)は、ネタばらしで読み応えあり。語りかけるようなやさしい文章で書かれていてどんどん読み進められます。


先生に一問一答
Q1.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? 

マレーシア。以前住んでいて、とても楽しかったから。

Q2.大学時代の部活・サークルは?

バイクサークルです。

Q3.大学時代のアルバイトでユニークだったものは?

 サーキット場でのオフィシャルの仕事。コーナーで旗を振ったり、クラッシュした車を助けたりしました。

Q4.会ってみたい有名人は?

ダウンタウンの松本人志さんです。


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