医療へのAI導入にむけて、医療者に必要な3つのスキルを養成
AIが診断し治療方法を決める日がくる
Artificial Intelligence (AI)技術が、農業や金融など現実社会において利用され始めています。医療においてもAIを次世代医療技術として、疾病の自動診断や最適治療方法の選択に活用するための臨床実用化研究が始まっています。
最終的には人が判断
医療用AI技術に対する期待が医師や医学研究者から高まる一方で、AI技術も完璧ではないことを医療者自身が理解した上で利用することが必要です。
それは皆さんが学校等の授業で習っていないことを答えられないように、AIも人がどのようなデータを事前に学習したか、またそのデータには誤りがなく過不足もないかなど、教える側が何を教えたのかによって答えが変わってしまう可能性があるからです。
そのため医療用AI技術を臨床現場で実用化するには、教師データのクオリティあるいはデータセットに含まれる症例内容を踏まえた上で、利用する医療者自身がAIの出した解答に対して同意できるかどうかを考えねばなりません。
批判的に検証する能力が必要に
特に2020年現在、感染拡大が続いている新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のように未知の病原体や疾患も発生することから、医療者はAIが出した解答を批判的に検証する能力が必要となり、この能力を『クリティカル・シンキング』と呼んでいます。
AIを信じるか疑うかは皆さん次第ですが、AIと医療者とが協力し合うことで、安全安心な医療を実現するため、私たちの研究室では医療技術+AI技術+クリティカル・シンキングの3スキルを持ったスペシャリスト養成プログラムを研究しています。
先進国と開発途上国との間では医療レベルに大きな差異がありますが、AI技術やバーチャル・リアリティ(VR)技術などのICTを利活用できれば、AIによって先進国並みの医療を開発途上国で提供することも、VRによって高度な医療人材を養成することも可能となり、数多くの疾病から人類を救うことに一歩近づくことができます。
◆先生が心がけていることは?
常に臨床現場で困っていることがないか、自分の足で歩いて新しい情報を集めることにしています。
「医療系学生におけるAI技術とクリティカル・シンキング能力複合教育プログラムの開発」
常に最新の技術を使用して学生に情報発信をしており、医療技術以外の科学技術にも視野を広げてもらえるよう、例えば最新のゲームを通じてそのゲームに使用されている技術の医療応用化などを説明し、より学生がイメージしやすいようにしています。
◆「保健学研究科 野坂大喜講師が第33回世界医学検査学会にてASCLS賞を受賞」(弘前大学HP)
◆保健学研究科 野坂講師ら研究グループ 「輸液監視装置」の特許権取得(総務省 戦略的情報通信研究開発推進事業研究)(弘前大学HP)
◆主な職種
臨床検査技師
◆学んだことはどう生きる?
卒業生は、基本的に臨床検査技師として病院に勤務します。医療者としての基本医療スキルの他、PCRなどの遺伝子解析技術や医療AI技術などの新しい検査技術を身につけてもらうことで、20代の段階から各地域における中心的立場に抜擢されています。
臨床検査分野はビックデータから多くの新発見が期待できる分野ですが、日本では医療AI技術者が少ないこともあり、医療現場においても利活用が進んでいません。当研究室では、臨床検査分野における新たな分野を開拓できる人材育成として、新型コロナウイルス検出において注目されているPCRをはじめとした遺伝子解析技術を正しい知識からAI技術などの次世代医療技術に対する知識を利活用でき、広く活躍できる人材の育成を行っています。また理工学研究科との連携により、高度な医工連携人材の育成を物作りの面からも行っております。
Q1.18歳に戻って大学に入るなら何を学ぶ? コンピュータサイエンス |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? シンガポール。最も効率よく国家運営を行っているため。 |
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Q3.一番聴いている音楽アーティストは? 倉木麻衣 |
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Q4.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? ねぶた祭の椅子並べ |