世界の諸地域は、いかに環境と折り合いをつけ発展してきたか
人類が発展してきたのは
1990年代初頭に東西冷戦が終結し、インターネットで世界がつながるようになって、ヒト・モノ・カネ・情報が地域や国境を越えてグローバルに移動しています。今では当たり前に見えるこのような世界も、ほんの数百年前までは全く異なる世界でした。
地球の地質や生態系に人類が重大に影響を与えるようになってから、現在に至るまでの時代のことを人新世と呼ぶことがありますが、人類が誕生した20万年前から人新世に至るまでの長い間、人類は周囲の環境と折り合いをつけながら、自分たちの社会を維持・発展させてきたといえるでしょう。
人類と環境の関係を歴史的に解く
地球温暖化や生物多様性の減少などグローバルな環境問題が課題となっている今、世界の様々な地域社会が周囲の環境と如何にして折り合いをつけながら維持・発展を遂げてきたのかを歴史的な視点から明らかにすることは、われわれ人間の営みを地球規模の物質・エネルギー循環や、多様な生物世界の営みの中に位置づけて、持続可能な社会を構築するために不可欠と考えています。
地域が本来持っている「潜在力」
この研究では、統計資料や観測資料を用いた巨視的な視点からの分析と、現地フィールドワークを通じて得られる微視的な視点を組み合わせ、世界の諸地域が本来持っている「潜在力」を明らかにするとともに、持続可能な地域社会を構想するための新たな世界観を提示することを目的に研究を行っています。
「モンスーンアジアの生存基盤 ―指標研究と地域研究の融合―」
◆佐藤先生のページ
現在はインド・パンジャーブ州における藁焼きに関する研究や、日本農業における外国人材の役割に関する研究に着手。