従来より短時間で万能細胞を作りだす!再生医療への貢献を目指して
手を切っても生えてくる?細胞の「リプログラム」
イモリは手が切れても生えてきます。植物の枝を切り落としても、また枝をつけます。それなのに、人間はどうして指の先すら作り直せないのでしょうか。
哺乳類の場合、細胞が分化して体の特定のパーツを作り上げていく能力(=万能性)は、受精卵から体ができあがっていく過程で消失してしまいます。近年になって、体の細胞を採取していくつかのタンパク質や化合物を一時的に加えると、万能性を復活させられる(「リプログラム」できる)ことがわかっています。
しかしその確率は低く、できあがった万能細胞のクオリティも一定ではありません。なぜでしょう。答えはまだ明らかになっていません。
万能性細胞を「丸ごと」融合、リプログラムを加速
私たちの研究室では、リンパ球に万能性を持つ細胞を「融合」する実験によって、リプログラムの過程を研究しています。受精卵が何回か分裂したところで採取した細胞は万能性を持ち、胚性幹(ES)細胞と呼ばれています。
このES細胞とリンパ細胞を融合すると、1日もたたないうちに、リンパ細胞に万能性に近い性質が現れはじめます。従来の手法では少なくとも数日かかると言われているので、とても早い反応です。万能性細胞を「丸ごと」融合しているので、リプログラムの開始効率が高まるのかもしれません。
たった1種類の万能細胞で再生できる
私たちの手法のミソは、リプログラムを起こすにはES細胞さえあればいいということです。また、これまでの研究から、マウスES細胞でもヒトの細胞をリプログラムできることがわかっています。
現在私たちは、細胞融合に誘導されるリプログラムの過程を顕微鏡で、リプログラミングの起こる条件や、その障壁となる事象を明らかにしようとしています。細胞融合を使って自在に細胞を操作する、そんなことを夢見て研究をしています!
高校時代は「生物学は面白い」と感じただけでした。大学4年で配属した研究室で、酵母のDNA配列を変えると細胞の性質が変わることを体験し、生命を司る設計図(DNA)が作動する仕組みに興味を持ち研究の世界に引き込まれました。当時は哺乳類細胞の研究はまだ難しかったのですが、博士課程在学中に多くの技術開発がなされ、複雑な仕組みを持つ哺乳類の細胞を使ってみたいと思うようになりました。細胞融合の研究に携わることになったのはかなり偶然です。
「Embryonic stem cells maintain high origin activity and slow forks to coordinate replication with cell cycle progression」
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◆ 坪内先生のX
静岡大学・農学部・応用生命科学科では様々な専門と経歴の教職員が創意工夫を凝らして日々教育に当たっています。農学部と聞くと農業や植物に関する研究を思い浮かべがちですが、私が行なっているような哺乳類の培養細胞を用いた研究や、海洋生物の研究も行われ、幅広い研究テーマに触れることができます。1年生から本格的な実習もあり、4年生までにはかなり多くの技術に触れ、経験を積むことができます。
幹細胞を使った研究について
iPS細胞を用いた再生医療について多く報道に取り上げられています。これまでにどのような治療が行われ、今後どのような技術開発が期待されるでしょうか?またどのような課題があるでしょうか?報道内容からまとめてみましょう。
| Q1.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? アメリカ合衆国:様々な人種の人がいて、様々な意見や考え方に触れることができます。留学中はそれを尊重しながら協調できるアメリカの方たちに多く出会いました。 |
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| Q2.大学時代の部活・サークルは? 硬式テニス |
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| Q3.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? ちくわ詰め、印刷会社で雑誌のページを機械に運ぶアルバイトなど(腰が痛くなります)。何でもやりました。 |
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| Q4.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? いろんな土地で、いろんな方たちに出会い、時間をおいて再会し、体験を共有して喜び合ったり励まし合ったりすることが楽しいです。留学中に出会った仲間が様々な分野で活躍するようになり、家族と共に日本を訪問してくれる機会も増えました。 |

