ごみの3Rを促し、ポイ捨てを防ぐ社会の仕組みとは
ごみ政策 成果をあげる一方、さらなる課題も
日々の生活に身近な環境政策の一つとして、ごみの3R(リデュース(減量)、リユース(再利用)、リサイクル(再資源化))があります。日本では、家庭に分別の順守を求め、排出されるごみを主に自治体が回収しリサイクルすることで、成果をあげてきました。
一方、地方では、人口減少、高齢化の進行により、税収が減少する中、1人1日あたりのごみ排出量が増加している自治体も見られます。環境負荷がリサイクルよりも低いと言われているリユース・リデュースを取り入れる動きも見られます。プラスチックが微細化して海を漂い、魚や鳥が食べてしまうといったマイクロプラスチックの問題への対処も求められています。
こうした時代の要請に応えられる、ごみの3Rを促し、ポイ捨てを防ぐ社会の仕組みとはどのようなもので、そこにどのように近づいていくとよいのでしょうか。
リユースのあり方をマイボトル・リユース食器から探る
私の研究室では、2022年4月から「Refillふくしま」という取組を行っています。福島県内でマイボトルへの給水を誰もが無料で行うことができる、公園・駅・公共施設などの水飲み場、マイボトルに無料で給水してくれる店舗、自分の容器に商品を入れてくれる店舗の情報をウェブサイト上に蓄積し掲載しています(https://www.refill-japan.org/team/refill-fukushima/)。こうした情報によりどのような影響があり、より良い情報とはどのようなものなのかについて検討を重ねています。
また、私の研究室では、様々な団体の協力のもと、福島県福島市で年2回開催されているガーデンマルシェというイベントで、商品をリユース食器・リユースカップに入れて提供してくれる店舗を段階的に増やし、リユース食器のレンタル、リユース食器返却所、消費者や出店者へのアンケートなどを行い、検討を重ねています。
一般的な傾向として
主な業種は→公務員、団体職員、民間企業(金融機関、IT系、流通、製造)
主な職種は→事務、企画
分野を活かしている点は?
環境問題は、どのような職種・業種でも出てきます。環境問題の解決には、人々が継続して実施可能なより良い取組を、様々な人々と協働して探っていくことが大切です。私のゼミの3年次におけるグループでの共同研究や、環境問題を解決するための政策や社会システムについての学びは、社会に出て環境問題に関わる場面に遭遇したときに、一つの視座になると思います。
福島大学は、福島県唯一の国立の総合大学であり、経済経営学類は2022年に創立100周年を迎えた歴史ある学類です。近年は、東日本大震災による複合災害からの復興を主なテーマに、地域の課題解決をグローバルな視野で、理論的・実証的・歴史的にアプローチしています。
私のゼミ(環境経済学研究室)では、東日本大震災後、1人1日あたりごみ排出量がワーストの状態が続いている福島県のごみに着目し、3R、特にリデュース・リユースをどう進めるかについて、事業者・市民・自治体の皆さんなどと協働し、取組の企画・実践・ふりかえりをグループ研究などとして行うことで、環境政策・環境社会システムについて理解を深めています。
先生から、ひとこと
ごみ問題をはじめとする環境問題の解決には、工学的な観点だけでなく、環境を守ることが各自の得になる社会の仕組みづくりといった、経済学的な観点も不可欠です。経済学の観点から環境を考える学問として環境経済学という学問があります。私と一緒に、ごみ問題を起点に環境経済学を身近な実践例の中で学ぶことで、社会の問題の構造と解決策・政策提言をクリアに語れる人になりましょう!
こんな研究に挑戦しよう!
スーパーやコンビニに行ったら、使用済みの容器、例えばペットボトルなどが、どう回収されているかを観察してみてください。また、皆さんが住んでいる自治体では、ごみ出し・ごみ分別がどういうルールになっているか調べてみてください。そして、スーパー同士、コンビニ同士、製品同士、自治体同士を比べてみてください。いろんな疑問が出てくるはずです。この疑問を解くことにチャレンジしてみると、いろいろなことが見えてくると思います。

