オリンピックの歴史と女性の権利の拡大
五輪マークに込められた理念
オリンピック大会には、世界中から人々が集まります。それは、短期間ではありますが、多様な価値観を持つ人々が共に生きる社会の縮図です。大会の準備・運営・選手たちのパフォーマンス・次の大会への引継ぎという繰り返しの中に、共生社会の可能性も課題も映し出されます。私はその歴史を「人権の拡大」という視点で研究しています。
日本では「五輪マーク」として知られるオリンピックシンボルは、近代オリンピックの復興者であるクーベルタンが制作しました。よく見ると、5つの輪はひとつの鎖のようにつながっていて、それが大会の時にぎゅっと集まる形になっていることがわかります。輪の色にあの5色が選ばれたのは、旗の白地を加えた6色で当時の世界の国旗をすべて描くことができたからだとされています。どの国も、どの人々も個性があるけれどもひとつだ、五大陸が連帯しよう、という思いが込められています。
Sport for Allの“All”から誰も取り残さないために
しかし、こうしたクーベルタンの思いには、時代的な限界がありました。近代オリンピックは19世紀の終わりに誕生しました。初期のオリンピックはこの時代のヨーロッパにルーツを持つ男性が中心の存在でした。現在の規模へと発展するためには、性別・人種・社会階層・経済的な格差・宗教などにもとづく様々な差別や排除をなくしていくことが必要でした。
特に根強く残されていったのは、ジェンダーやセクシュアリティにもとづく差別や不平等です。「力強く鍛えられた心身や高い技術」という印象でしか捉えられてこなかったスポーツの世界では、女性は劣る存在だと見なされてきたためです。
私は、女性たちがスポーツの世界で権利を得るために、どのような主張や闘いをしてきたのかを明らかにしています。そして、研究の成果を現在のスポーツ政策や社会全体のジェンダー平等やその他の差別や不平等を解決するための方策として活かそうとしています。また市民に広く伝えるために、中京大学ではスポーツミュージアムを運営しています。
過去の人々の成功だけでなく、失敗も活かすためにオリンピックの歴史を知り、活かすことは、未来をつくる一歩になると思います。
一般的な傾向は?
●主な業種は→教育、公務員、一般企業
●主な職種は→教員、消防士・警察官、営業職
●業務の特徴は→人とのコミュニケーションを必要とし、高い社会貢献意識を持って取り組む必要がある業務が多い
分野はどう活かされる?
多くが保健体育科教員になっているため、直接的に専門分野を活かしています。ゼミでの学びを通して、多様な人々の視点にたって物事を考えたり、相互理解を促進したり、異なる意見を持つ人を尊重するには、どのようにすれば良いかを考えたりする立場で、業務に取り組んでいる人が多いように思います。
スポーツへの関わり方には「する」「みる」「ささえる」があるといわれてきました。この他にも「知る/考える」スポーツの重要性が指摘されるようになっています。スポーツは文系・理系の幅広い問題関心から考察することができる文化です。また、地域から国際社会にまで影響を与えることができる世界共通の「遊び」でもあります。社会の未来のためにスポーツには何ができるかを一緒に考えましょう。
【テーマ例】
・スポーツと教育
・スポーツと差別
・スポーツと戦争

