臓器不足の解決へ ミニブタから移植用の臓器をつくる
アメリカで異種移植の実例
2022年、アメリカで遺伝子を操作したブタの心臓が重い心臓病の患者に移植されるというニュースが報じられました。この患者は移植待機リストに載る資格がなく、他の治療法も尽きていたため、「最後の選択肢」として異種移植を受け入れたとされています。バイオテクノロジーの進歩によって、かつてはSFの世界の話であった異種移植が現実味を帯びてきています。
ゲノム編集や遺伝子改変、クローン技術を駆使
移植医療は、病気やけがで臓器の働きを失った人にとって最後の希望といえます。しかし日本では、移植に使える臓器が圧倒的に足りていません。移植のための臓器を十数年待つことは通常であり、医療現場にとって深刻な問題となっています。
この臓器不足の解決に挑む私たちの研究の中心には、体が小さく、飼いやすいマイクロミニピッグというミニブタがいます。私たちは、このブタを使い、ゲノム編集や遺伝子改変、クローン技術といった最先端の方法を組み合わせて、免疫の拒絶反応を抑えた移植用の臓器をつくることを目指しています。
発生工学の課題に真摯に向き合って
私たちが取り組んでいる発生工学は、生命を深く理解し、新しいかたちで生かすことを目指す学問です。未知の領域を開いていくわくわく感がある一方で、「命をつくってよいのか」、「どこまでを医療とみなすのか」といった大きな問いもつきまといます。私たちは、そうした課題に真摯に向き合いながら、時に葛藤しつつ、未来の移植医療を切り拓く研究を進めています。
このテーマに携わることになったのは、本当にたまたまです。大学生になったばかりのころ、哺乳類で初めて作成されたクローン羊 ドリーの話を聞いたとき、私には遠い世界の話だと思いました。しかし、運よく繁殖学・生殖工学系の研究室に採用となり、クローン研究を進めているドイツの研究室に留学したことで、それが手の届くものだと実感しました。今、私自身、このテーマに携わっていることが本当に不思議です。
| Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 植物学 |
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| Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? カナダ。高校生の時に過ごした思い出もあり、厳しくも暖かな時間を過ごしたい。 |
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| Q3.感動した/印象に残っている映画は? 『パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー』 |
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| Q4.好きな言葉は? おもしろきこともなき世をおもしろく |

