難治性がんに対抗できる抗がん剤を開発 創薬ベンチャー立ち上げへ
ノーベル賞受賞薬でも治療困難ながんがある
今や日本はがん大国であり、2人に1人ががんになる時代ですが、その治療には様々な選択肢があります。例えば、治療効果が高いとされているノーベル賞受賞薬のオプジーボをはじめとする、様々な薬が開発・実用化されています。
しかしながら、そのようなノーベル賞受賞薬をもってしてもなお、治療困難な悪性がんが存在します。私は、まさに、そのような、治療困難な、「最も悪性度が高いがんに対抗できる抗がん剤」をつくる研究をしています。なかでも、特に良くなる可能性が低いとされている「肺小細胞癌」を最初の開発ターゲットにしています。
大学院時代の特許技術が活きる
この肺小細胞癌は、他の肺癌とは異なり、神経系の物質を細胞から分泌することが知られているのですが、私が脳の発生の研究をしていたときに見つけてきた神経幹細胞分化制御因子が、肺小細胞癌で高発現していることがわかりました。
これは、大阪大学大学院時代に、蛋白質を分離する「二次元電気泳動」という技術に出会い、その後技術改良を重ね、細胞の中にある、重要だけれども数が少ない「司令官のような蛋白質」を探索する特許技術を開発したことで、見つけることができたのです。
正確にがんを狙い、副作用を減らす「核酸抗がん剤」
この神経幹細胞分化制御因子の遺伝子を標的として、この因子の遺伝子発現を抑えることでがんを縮小させる「核酸抗がん剤」の創出を目指しています。
従来の抗がん剤は、がん細胞だけでなく正常な細胞にもダメージを与えてしまう副作用がありましたが、核酸抗がん剤はがん細胞中の標的遺伝子に直接結合するため、より正確にがんを狙い、副作用を減らすことができます。
今、この抗がん剤を世に出すべく、創薬ベンチャー起業を立ち上げる準備をしているところです。
私は熊本県出身で、天草の海で魚釣りや磯遊び、阿蘇の山でワラビ狩りや昆虫採集をするなど、昔から生き物・自然を身近に感じる生活を送ってきました。庭の木にあった巣から落ちたヒヨドリやモズの雛を育て、海から連れて帰ったナマコやウニ、カワハギ等を水槽で飼い、川で見つけたスッポンの赤ちゃんを育て、柴犬の梵天丸君と一緒に過ごしてきたことが、生き物を大切にする心をつくり、病気の原因を解明し、誰かの役に立ちたいという思いへと繋がっている気がします。大人になった今も、なぜか自然と犬や猫が近寄ってきてくれます(笑)
| Q1.一番聴いている音楽アーティストは? いつもは最新の洋楽を聴いてますが、ベンチャー系イベントでプレゼンするときは朝からLinkin Park の「Faint」を聴いて戦闘態勢に入り、Eloy & AMEIROの「Say What You Wanna Say 」で気分転換、Miley Cyrus の「Midnight Sky」でドライブを楽しみ、Stingの「Shape of My Heart」は哀しいとき雨の降る窓の外を眺めながら聴いています。 |
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| Q2.感動した/印象に残っている映画は? 『モブスターズ/青春の群像』、『ショーシャンクの空に』 |
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| Q3.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? 水産試験場でのアルバイトで、ホルマリン漬けになった魚の胃の内容物と容量を調査する研究のお手伝い。二ザダイやアイゴなど、元々海藻を食べる魚を解剖するのですが、海藻が体内で発酵するので、なかなかの・・・で、慣れない私は防毒マスク着用で作業をしました。魚の体内には見てはいけない生き物!?がたくさんいて、しばらく魚が食べれない状態が続きました。。。(今では毎日お刺身を食べてもよいというくらいお魚は大好きです。) |
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| Q4.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? 地方創生のお仕事です。普段は大学でがんの研究をしておりますが、兼業で、熊本県多良木町の地方創生顧問、御船町の産学官連携戦略顧問として、熊本の「まちづくり」のお手伝いをしております。 |
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| Q5.好きな言葉は? 1.『尺蠖(せきかく)の屈するは、以て信(の)ぶるを求むるなり』:高杉晋作が引用した易経・繋辞下伝の言葉。シャクトリムシのように身を屈するのも、時を待つためである、大きく発展するためには、時には忍耐して時機を待つことが大切。 |

