加熱式タバコなら安全か? 長期喫煙で肺の病気を発症
壊れた肺の治療法はない
タバコが健康に良くないことは皆さんもご存じかと思います。
煙が直接入る肺では、肺癌や喘息だけでなく、長期喫煙により肺胞が壊れて呼吸困難を招くCOPD(慢性閉塞性肺疾患)が大きな問題です。COPDは高齢者を中心に多くの方が苦しみ、壊れた肺(肺気腫)を修復する治療はまだ見つかっていません。
マウスに6か月間吸わせると、肺気腫を発症
近年、加熱式タバコという新しいタバコ(*)が、紙タバコの代替として普及しています。加熱式タバコは紙タバコより有害成分が少ないと宣伝されているのですが、本当に安全かは不明です。
そこで私たちは、マウスに6か月間、毎日30分、新鮮大気(対照群)、加熱式タバコエアロゾル、紙タバコ煙にそれぞれ曝露する実験を行いました。
その結果、加熱式タバコ群でも、紙タバコ群と同様に肺気腫を発症することを発見しました。また、ヒトの気道上皮細胞に、加熱式タバコや電子タバコの蒸気成分であるプロピレングリコールを曝露すると、細胞の増殖や生存率が低下し、アポトーシス(細胞死)が誘導されました。
加熱式タバコの使用に警鐘を鳴らす
これらの結果から、加熱式タバコは「紙タバコより安全」と安心できず、長期使用により紙タバコと同様の肺気腫を起こしたり、気道細胞を傷害したりするリスクがあると考えられます。
私たちの研究成果が、今も拡がり続けている加熱式タバコの使用に警鐘を鳴らし、将来の健康リスクを低減することを願っています。皆さんも加熱式タバコを含めたタバコ製品全般の健康影響を改めて考えてみてください。
*新しいタバコには、加熱式タバコのほか、電子タバコも含まれます。加熱式タバコは、タバコ葉を燃やさずに約250~350℃で加熱し、たばこ本来の風味やニコチンを含む蒸気(エアロゾル)を吸います。一方、電子タバコはタバコ葉を使わず、ニコチン入り(または無ニコチン)のリキッド(プロピレングリコールなど+香料)を加熱して蒸気化したものを吸う仕組みです。ニコチン入りのリキッドは日本では販売が法律で認められていないので、日本では加熱式タバコが主に普及しています。
医師を目指したきっかけは、父が内科医なので、というありきたりなものですが、専門分野の選択には紆余曲折がありました。医学部を卒業するときには心臓を専門にしようと思いつつ初期研修を開始したのですが、研修中に出会った指導医に惹かれて呼吸器を専門にしようと変わりました。
その後、大学院に進む際、当初は感染症を研究したいと思っていましたが、多くの人との出会いを経てタバコによる肺の病気に取り組むようになりました。人との出会いで人生は変わっていくものですね。
「慢性タバコ煙曝露システムを用いた加熱式タバコエアロゾルによる肺傷害の解析」
・タバコはなぜやめられないのか?
タバコは体によくないということは、今では小さい子供でも知っていることです。なのに、紙タバコにしても、加熱式タバコなどの新型タバコにしても、一度手を出すとなかなかやめられないのには、何か理由があるはずです。タバコに含まれる成分のせい?タバコを吸う人の心理的な問題?いろいろな面から考察してみてください。
| Q1.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? アメリカ。英語を自由に使えるようになりたいから。 |
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| Q2.大学時代の部活・サークルは? ボート部です。体が小さいので舵取りをやってました。熱いカレッジスポーツです! |
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| Q3.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? アルバイトではないですが、お笑いコンビを組んで、ローカル番組に出たことがあります。 |
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| Q4.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? 愛犬のお世話です。家ではずっと一緒にいます。 |

