錯体の光化学反応を利用した貴金属の分離
金属にはそれぞれ製錬方法がある
スマホのような身近な工業製品にレアメタルが使われていると聞いたことがあるでしょうか。高校の化学では鉄や銅など主要な金属の製錬方法について学習しますが、工業的にはさらに多様な金属が利用されており、それぞれについて製錬方法が存在します。また、鉱物資源は循環して利用する必要があるので、鉱石に限らず、スクラップなど多様な原料から金属を抽出してリサイクルする方法が世界中で研究されています。
錯体によって最適な分離方法
ここでは金や白金といった貴金属に注目します。複数の種類の貴金属が混ざった状態から分離するときには、いちど丸ごと酸に溶かしてから、特定のイオンだけを抽出したり沈殿させたりするのが基本です。
金を溶かす酸としては王水が化学の授業に登場しますが、実際にそのような薬品を用いて貴金属を含んだ原料が溶かされます。このとき貴金属は、塩化物イオンが配位した錯体となるので、どのような錯体を形成しているかによって最適な分離方法が変わってきます。
色によって錯体の種類がわかる
酸の中で貴金属がどのような状態になっているかを把握しようとするとき、色が手掛かりになります。硫酸銅水溶液は青色、塩化銅水溶液は黄色と、同じ銅の水溶液でも色が違うことからもわかるとおり、遷移金属イオンに塩化物イオンが配位すると色が変わります。だから色によって錯体の種類がわかりますし、色の濃さから濃度もわかります。
さらに、イオンに色がついて見えるということは、特定の波長の光を吸収しながらイオンの中で電子の状態が変化していることを意味します。そこで、光を上手く利用して錯体の状態を変化させ、貴金属の分離に活かそうというのが私の研究です。
私が学生のときには先端的な科学を象徴する言葉として「ナノ」をよく耳にしました。一方で、材料の分野は産業において重要で、大企業もたくさんあるので、専門分野として材料工学を選択することはコスパも良く、つぶしがきく進路だと思いました。ちなみに「つぶしがきく」というのは、金属を融かして固めれば再利用できるように、勉強した内容がいろいろな場面で役立てられるという意味ですね。
大学院に進むころにはサステナブルや循環型社会という言葉が社会的に浸透しはじめ、環境・資源の問題と直接かかわるこの分野の重要性がますます高まっていると感じました。
「電荷移動遷移を利用した有価金属の製錬工程における水溶液の分析および錯体構造制御」
◆主な業種
(1) 非鉄
(2) 鉄鋼
(3) 金属製品
◆主な職種
(1) 生産技術(プラント系)
(2) 生産技術(プラント系以外)
(3) 製造・施工
| Q1.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? 知人が住んでいるイギリス。サッカーを見に行くのも楽しそうだから。 |
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| Q2.好きな言葉は? たった一人を納得させられないで世界中 口説けるの? |

